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'04.08.13 作成

sanshou_4.gif ま、ええんとちゃいますか? 〜いまさら「ココニイルコト」の感想文〜

 私は子供の頃から、関西・・・というか、大阪に強い憧れを抱いていました。
 あの見事なまでのボケ突っ込み・・・。それから関西弁。
 細かいイントネーションとかを除くと、どちらかと言うと標準語に近い区域で育った私からしたら、それはそれは羨ましくて仕方ありませんでした。
「何とか会得したい!」と関西の友人に訴えた所、「関東の人間が無理をして関西弁に似せようとしてもダメだ」という風なことを言われ、非常にショックを受けた、と言う思い出もあります。

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「ココニイルコト」の舞台は、その大好きな大阪。
 東京の広告代理店に勤めていたコピーライターの相葉志乃(真中瞳)。上司との不倫がばれ、その夫人から手切れ金を渡され、挙げ句、大阪支社の今までとは違う部署に配属されてしまう。その支社への初出勤の日、大荷物を抱えて堂々と遅刻してきた中途入社の前野逸郎(堺雅人)と出会う。「ま、ええんとちゃいますか?」が口癖の逸郎の天真爛漫さに、頑ななまでに『願うこと』『信じること』を拒んでいた志乃の心が段々と解れ、「ココニイルコト」の本当の意義を見つけていく・・・、ってな感じのストーリーです。

 正直言いますと、私、はっきり言ってこの映画、全く期待してませんでした。
 どうも真中瞳ちゃんというと、「進ぬ!〜」だとか、「ニュースステーション」のイメージが強くて、演技はねぇ・・・と思ってたわけですよ。でもフタを開けてみたら、橋爪夫人曰くの「体温低そう」な棒読みっぷりが、『相葉志乃』の心情と見事にリンクしてて、意外にすんなり観ることが出来ました。

 各シーンの所々に大阪ならではの「深さ」や「笑い」がちりばめられていて、大阪フェチ(爆)としては心をくすぐられっぱなしでしたね。
 例えば、逸郎と志乃ちゃんが上司と共にクライアントの社長を接待している最中、志乃ちゃんのコピーライターならではの失言(?)で場の雰囲気が険悪になりそうなところを、逸郎が社長の好きな「阪急ブレーブス」について熱く語ってその場を丸く治めるというシーンがありまして。これは、大阪フェチ以上に野球小僧として、一番血が騒いだ瞬間でした(爆)。そうそう、あの時の阪急は強かったよねぇ〜(遠い目)。逸郎と社長が次々と上げていく選手の名前のほぼ全てわかった私はさていくつでしょう?(爆)
 志乃ちゃんが資料室にこもって何をしているかで賭けをした上司の2人が、そのどっちも外れて志乃ちゃんに思いっきり突込みを入れるところとかもいいですね。
 それにしても関西の方は何事にも賭けるのがお好きなんでしょうか?(んなこたぁないよ(タモさん風))

 ガラクタ好きの逸郎。しょっぱなに会社の机の上にチープなカキ氷器を置いたのにはやられましたね(爆)。部屋の中にある、一見無意味そうにゴチャっと置かれているガラクタたちとかも「結構趣味がいいねぇ〜兄ちゃん!」と思いました(私自身もガラクタ好き(苦笑))。
 あと、逸郎曰く「胸がワクワクする場所(だったかな?)」のあの路地裏の骨董店。実際にあるお店らしいですが・・・、場所、何処なんだろう? 是非行ってみたい(爆)。その骨董店の主人役で笑福亭鶴瓶さんが出演されてるんですが、あれがねぇ〜、いい味出してるんだなぁ。

 いろんなものを抱え込んでいる志乃ちゃんと同様、いつもニコニコ楽天家の逸郎もとっても大きなものを抱え込んでいるんですが、その逸郎が『願うこと』を封印してしまった志乃ちゃんに「“願う”っちゅーのは、相手にばっかり期待してたらアカンのと違う?」と言うセリフがあるんですが、それがねぇ、とっても沁みるのよ。
 人間生きているといくら願っても叶わないことなんてヤマほどあるわけで。でも、それを相手任せにし過ぎると『願い』自体が無意味なことになってしまうわけですね。う〜ん、深いね、逸郎くん。

 

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 最近には珍しい、ドロドロの愛憎劇とか派手なラブ・シーンとか全くなしのとってもふんわりとしたラブストーリーです。DVDを買うまでしなくても(私は買ったが(苦笑))、レンタルで借りて、ゼヒ、逸郎の「ま、ええんとちゃいますか?」に癒されちゃってください。

 またまた予定調和な余談ですが、DVDで監督が語った堺さん像に非常に納得したのはきっと私だけではないと思います(苦笑)。

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