'03.07.06　作成（随時更新予定）

第４３静岡大会　怒涛の観戦レポート　
朝日生命　ＶＳ　ヤオハンジャパン

ａｔ　富士球場　４月８日　（Ｓａｔ）

　本命登場（苦笑）。
　あの試合からちょうど１ヶ月。どんな試合を見せてくれるのか・・・村井は楽しみにしていた。
　一方の朝日生命。実は静岡大会の出場チームが『ＧＲＡＮＤ　ＳＬＡＭ』に載っていた時点からどうしても見たいチームの一つだった。
　背番号１４・河野孝宏。私はこの方が“倉吉東のちっちゃなエース”として'８８年のセンバツに出場したときからＰｕｓｈしていたりする（あの独特のフォームが好きなのだよ）。自慢にもならんが、その当時にＴＶでやった倉吉東の特番のビデオを今でも持っている（注：現在は手元にありません）。
　一時期、六大学にハマった事もあったが、その中でも明大が好きだったのは、この方がいたから（・・・だけでもなかったが）だった。卒業後、野球を続けているのかさえ分からなかったんだが、ひょんなことから朝日生命で続けていることを知って、一度、姿だけでもいいけど・・・出来たら、ピッチングを・・・見たいと思っていた。
　試合前、スタンドで姿を見かけた。あの頃とほとんど変わらない笑顔だったのですぐにわかった。７年前からの想いが少しだけど叶った気がした。ちょっと幸せ(^-^)v。思わず写真を撮ったのは言うまでもないな（笑）。

　さてと、試合だ（笑）。先発は、朝日・古谷さん、そしてヤオハンは・・・『もってくるだろう』と思っていた通りの田中くんだ。

　１回は表・裏とも両投手が上々な立ち上がりを見せた。特に古谷さんに関して永吉くんが「まっすぐに威力がある」といっていたのを耳にした。

　２回表。この回の先頭バッター、４番・中山恵一さんがレフトへ待ってました!!のＨＲを放つ。アナウンスは『大会第２号』と言っていたが、これも怪しい（笑）。
　２回裏。７番・則次くんのライトフライをライト・玉川くんがポロリ。一瞬、目の前に一ヶ月前のあのシーンがよぎったが、田中くんは、何事もなかったかのように８番・富沢さんをライトフライに打ち取った。

　試合は淡々と進む。ヤオハン側に多少の動きがあるものの、あと一本が出ないわ、何を焦っているのか、折角くれたチャンスを拙攻で潰すわ(-_-;)。土曜日とあって、ヤオハン側は応援団の数が何時にも増して多かったが、その皆さんが湧き上がるような場面はなかった。

　５回表。ヤオハンに、佐々木くんのバント失敗や大曽根くんの盗塁失敗など・・・のお粗末なプレーが続出(T-T）。「これで流れが変わったぞ〜」と言うヤジも飛んだそうだが・・・、当たり前だよな。私も言いたくなる。こういう事があると、必ずと言っていいほど相手側にチャンスが訪れるんだから・・・。
　５回裏。８番・富沢さんがライト前にヒット。９番・宮田さんがきっちり送って、迎えたバッター、１番・柴くんにレフト前にタイムリーを打たれ同点。
　バッテリーは足の速い柴くんを警戒して何度も牽制をする。そして、何回目の牽制だったか忘れたが、引っ掛かって柴くんが飛び出した。が、追いきれず(-_-;)、あげくランナーとファーストで交錯した田中くんが、倒れこんだ拍子に肩を打ったらしく、右肩を抑えながらうずくまってしまった。
　何てことしてくれるのよアンタ！　ウチのエースに!!(←筋違いもいいところ(^^;))
　後ろからも「大丈夫かなぁ・・・」と田中くんを心配する声が聞こえた。が、暫くすると立ち上がり、肩を２，３回ぐるぐるっと回すと投球練習を始めた。・・・やっぱり、ヤオハンはサイボーグの集まりかもしれない（苦笑・・・村井のスポニチレポ参照）。
　生き残った柴くんはその後、２盗、３盗を軽々とやってのけた。うーん・・・確かに早い！
　田中くんは２番・神保くんをピッチャーゴロに打ち取ったところで、大事を取ってか飯島くんと交代した。マウンドを降りる田中くんに、スタンドからは大きな拍手が送られた。田中くんの表情も、少し残念そうだったが晴れ晴れとしたものだった。多分、今日のピッチングに自分自身ある程度満足したからだろう。次に期待大！（アンタはいつも期待しとるやん(^^;))
　変わった飯島くんも、３番・ＰＨ白井さんに四球を与えたものの、４番・佐野さんを空振り三振に切ってとった。

　８回表。ヤオハンは２番からの好打順。その２番・原くんがレフト前ヒットで出塁。３番・三代川くんはきっちりピッチャー前にバントを決めた。一点勝負だからなぁ・・・。でも、去年までの３番（大西くん）だったら絶対に強攻してたと思う。それが出来ない辺りが、ヤオハンの今一番痛いところだな。当然のように朝日バッテリーは４番・中山（恵）さんを敬遠。
　次のバッターは前の打席まで３三振の５番・上田くん。スポニチのレポにも書いたけど、私はこの上田くんに並々ならぬ期待をかけている。岡嶋監督自体も『ポスト大西』として上田くんを育てているんだそうだ。スタンドからも「怒れよぉ！　上田!!」の声が飛ぶ。私だけではなく、みんな上田くんに期待しているんだろうな、とその時思った。
　上田くんは、周囲の期待通り、レフト前にヒットを放った。ファーストに立つ上田くんに少し笑顔が見えた。
　１アウト満塁・・・。岡嶋監督が動いた。６番・矢沢くんにＰＨを送る。「中山ぁ、テル!!」（(Ｃ）岡嶋監督）こと中山輝生くんだ。「テルだったら、最低でも外野フライ打てるもんな」と後ろの方にいたおっちゃんが話す。確かに。私もそう思った。しかし・・・。
　輝生くんの出した答えは、無情にも３−２−４のダブルプレー。一番最悪な結果だった。
　思わずスタンドからも「あ〜あ・・・」と落胆の声が聞こえる。「すいません・・・」と小声で言いながらベンチへ戻ってきた輝生くん。そういえば、この回が始まる頃「誰かが一気に決めてくれればいいのに」なんて呑気なこと言ってたよねぇ・・・輝生くん(-_-;)。あぁ・・・とんでもなく嫌な予感がする・・・。

　８回裏。５番・石川さんがセカンド・永吉くんのエラーで出塁。ここまで好守を見せていたのに(T-T）。６番・照井さんはピッチャー前へ送りバント。７番・則次くんをセカンドゴロに打ち取ったものの、８番・富沢さんがレフト線に２塁打を放ち、土壇場で朝日が逆転。なおも９番・吉田さんがレフト前にタイムリーを放って点差を広げた。更に１番・柴くんにもセンター前にヒットを打たれ、２アウトながら１,３塁とされたが、２番・ＰＨ坂田さんをサードファールフライに打ち取った。
「物事には限度ってぇのがあるよな」・・・飯島くんを見ていてそう思った。折角いいピッチングをしていても、打線がそれに答えてくれないようじゃ、緊張の糸がいつかはプチッと切れてしまう。その瞬間が富沢さんに打たれたタイムリーであり、遠因としては輝夫くんのゲッツーだったと思う。
「２点はキツイよな・・・」後ろのおっちゃんは溜め息まじりにそういった。思わず「そうだよなぁ」とうなづいてしまいそうになる自分がコワイ(^^;)。

　９回表。「このままで終わるワケいかねぇぞ、おい！」永吉くんのゲキが飛ぶ。そうそう、その通り！　欲しかったのはその意気込みなんだよ。
　その言葉通り、７番・大曽根くんがレフト線へ２塁打を放つ。が、８番・ＰＨ加藤田くんはショートゴロ、９番・市野さんはレフトフライ・・・。あぁ・・・“万事休す”ってヤツですか？
　バッターボックスに、先ほどのゲキを飛ばした張本人、１番・永吉くんが立っている。
「野球は２アウトからって言うからよぉ」誰かがそんなことを言った。その声が届いたのか、永吉くんはライト線へタイムリー２塁打!!　「よっしゃあ!!」この試合初めて、スタンドが沸いた。
「ゼータクは言わないから、せめて同点に・・・」期待は２番・原くんへと注がれた（誰だったか「タツノリ〜」なんていう掛け声を原くんに掛けていた(-_-;))。
　その原くんの打球はショートへの内野安打。しかし焦った永吉くんがオーバーランしてしまい、サードでタッチアウト・・・だったようだ。
　はっきりいって、村井はこのラストシーンをよく覚えていない。ただはっきり覚えているのは、サードでアウトになった永吉くんが、ベース付近でしゃがみこんでいる姿だった。私自身、目の前で一体何が起こったのかわからなかった。それほどあっという間の、あっけない幕切れだった。

　３−２．数字だけ見ると「何て好ゲームなんだ」と思われるかもしれない。しかし、フタを開けてみれば単なるヤオハンの拙攻のオンパレードなのだ。朝日の方にも拙攻があったことは否めないけど、それは、ヤオハンの比ではない、と思う。
「いい経験になるように」と岡嶋監督は敢えて若手を起用したようだ。が、当の若手達には、ホンキで“勝とう”と言う気持ちがあるのかなぁ？と、ちょい不安になったりする。特に試合後の姿を見ていると。
　何時までも永吉くんや中山さん、羽山さんにおんぶに抱っこじゃ、しゃーないでしょ？　原くんはホンキで悔しがってたよ。

　　　Ｏ・ＭＡ・ＫＥなお話　　　

　Ｎ関西ＶＳＭＭＣの試合後、ＭＭＣの戸崎さんが私の斜め３段上くらいのところで、親類縁者（？）のおばさまとその孫とともに、朝日ＶＳヤオハンの１回表・裏くらいまで観戦していた。戸崎さんって静岡（東海大工）出身らしい。
　小さな女の子達に「おじちゃんて、何してるのぉ？」とか「半袖着てて、寒くないのぉ？」などと質問の嵐を浴びせかけられまくっていた。その度にムキになって答えるから、完ペキにからかわれていた(^^;)。
　戸崎さんは「東京に長いこといたから、朝日には知り合いが多い」とおっしゃっていた。岡崎の前はスリーボンドだもんね。故に、中山さんともお友達らしい。
「ヤオハンとはこの前オープン戦で戦ってね、韮山（にらやま、と読む）で」なんて話題が聞こえ始め、思わず耳がダンボに（笑）。えー、韮山でやったのぉ？　それなら見たかったなぁ。知っていたら休みだって取ったのにぃ(T-T)。ちくそう・・・。
　どうやらその時は、この日の先発でもある田中くんが登板した（余計見たかったなぁ(ToT))らしく、「このピッチャーはね、変化球がいいんだよ。特にシンカーが」としきりに田中くんを褒めてくれた。村井の心はそれだけでもう第七天国（笑）だった。ありがとう、戸崎さん。
　結局戸崎さんは、お友達の打ったＨＲを見ることなく帰路についたけど、見ていたらきっと思いっきり喜んでくれたに違いない。そういう感じの方だったから。

　試合後、ヤオハンは球場すぐ脇で輪になってミーティング。結構長いことやっていた様子。まぁ、当たり前だわな。
　村井は富士宮の親戚の家に泊まりに行く予定だったので、その親戚の家にＴＥＬを入れた後、駐車場へ向かった。すると、朝日の皆様が同じ方向へと歩いているではないかいな。初めは「あぁ、朝日も同じ駐車場にバスを止めてんだろう」と気にも留めていなかったのだが、駐車場へ行っても見慣れたヤオハンのバスはあっても、他にそれらしきものは何も止まっていなかった。村井の頭に？マークの羅列「一体どういうワケ？」。しかし、答えはすぐ解けた。
　選手達は、奇しくも私の愛車くんの周りに止めてあった多摩ナンバーの車に次々と乗り込んでいった。それにしてもまぁ、みんないい車に乗っていること・・・。保険会社ってそんなに儲かるんだろうか？　ちなみに前出の河野くんが乗っていたのがＢＭＷ。村井のすぐ横に止めてあった。不振がってる河野くんをよそに、まじまじと見つめてしまった(^^;)。
　・・・ということは、みんな富士まで自分の車で来たのかぁ??　まぁ、富士インターからそんなに遠くないしなぁ・・・。にしても、試合前に疲れちゃわないかぁ??　浜松球場だったら絶対こんなこたぁさせなかったんだろうけど・・・なんちゅうチームなんだ(-_-;)。遠路はるばるご苦労様なこって。
　そうそう、駐車場から出てすぐの路上で、ミーティングを終えたヤオハンの皆様が駐車場へと向かってだらだらと道路を渡っていた。その姿には警戒心の『け』の字もなかった(-_-;)。思わず轢きそうになっちまったよ（逆に「何で車が来るんだよ」みたいな顔をされてしまった(-_-;))。

（１９９５.４.２８　発行　Ｖｏｌ.１５　掲載）
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