子宮頸管無力症

まだ子宮口が閉じていなければならない時期に
なんの自覚症状もなく、
突然子宮口が開いてしまう病気。

子宮頚頸管縫縮術と薬剤によって流・早産を防ぐ。

子宮頸管というのは、赤ちゃんがいる子宮腔から膣につながる長さ2〜3cm程の管で、妊娠中はおなかの赤ちゃんを支え、分娩時には開口して産道に変わるという柔軟性に富んだ部分です。

ところが妊娠中の中期の、まだ子宮口は閉じていなければならない時期に子宮収縮などの自覚症状もなく、突然子宮口が開いてしまう病気に子宮頸管無力症があります。原因はよくわからず、多くの場合は体質的にこの筋組織が弱く、頸管がやわらかくなって開いてしまうのではないかと考えられています。すべての妊娠の1%ぐらいに見られます。

子宮頸管無力症になるとお産の前から子宮口が自然に開いてしまい、流産や早産を招くことがあります。したがって、子宮口が開いていれば、頸管縫縮術の手術をします。また、前回の妊娠で頸管無力症のために流産や早産をしていれば、妊娠14週〜16週ごろまでに頸管を縛る手術を行うこともあります。

自覚症状がないので、とくに初産の場合は、流産や早産の傾向が見られてから発見される事が多いのですが、内診や超音波検査などで診断がついたときは、速めに子宮口を縛る処置を行います。

子宮頸管縫縮術は、子宮頸管を特殊なテープで縛る手術で、数日入院することになりますが、手術自体は簡単に終わります。その後は無理をしないで日常生活に注意します。そして37週以後の正期産まで、赤ちゃんの成熟を待ち、テープを抜いて自然のお産の到来を待ちます。

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