歌集 「カポックの花」
令和6年6月
カポックの花
令和6年6月記
百年に一度咲くと言うリュウゼツラン(龍舌蘭)が咲き始めたとの報道が目立つ。和名の竜舌(リュウゼツ)は、葉が長くて厚く葉の先が尖っていて縁にはトゲがあることから、これを伝説上の生き物である龍の舌に見立てて名付けたもので、蘭(ラン)はその花の美しさに対して付けられたものである。
カポックは二十年以上経たないと花が咲かないと言う。わが家の庭のカポックは今年の初めから花芽がついて6月に花が咲いて実が成った。のんびりした木であるが自分も似た様なものかな。大器晩成であればと願う一抹の期待が芽生えた。
「令和の歌」の後、歌を詠まずにほぼ一年が経った。この一年は歯の治療、心臓検査、膀胱の検査など体調が気になりパートの仕事は令和6年3月で止めた。今は高血圧や冠動脈一部石灰化対策として血液サラサラ、前立腺肥大の治療薬など人並みの薬を毎日飲んでいる。膀胱内には12ミリほどの石がある。足がぱんぱんに膨らんでいるのも気になる。目も耳も歯も衰えてきた。今までは、高齢者を外から眺めてきたが75歳になり自分もいよいよその仲間入りになる。実際に年をとる苦労はその時になって初めて理解できるものとしみじみ思う。年をとるとは、生きるとは、人生とはなどの思う事などの心の移ろいを詠んでみようと思う。これからは人生百年と言われて久しいが『はて?』如何かな。
令和6年 春~初夏に
狭庭にも春 バラの花咲く 季節は初夏に
啓蟄や狭庭に小花ポツポツと寒地をついてまたポチポチと
狭庭にも浅みどり葉の芽吹きをり 蕾膨らむ心膨らむ
バラの名は伊豆の踊子鮮やかな黄色の蕾 胸騒ぎする
待望の輝く黄バラ咲きにけり初夏の一日飽きず眺める
バラを見て 気分高揚 紫陽花に 心静まる 水無月はよし
庭のカポックの花
カポックは二十歳を過ぎて咲くと言ふ
我は老いても まだ花咲かず
二十年初めて咲きしカボックの実は色づきし時は短し
裾野梅の里・パノラマ遊花の里にて
素朴なる 菜の花畑は 富士を背に 桜街道富士につながる
愛鷹運動公園の櫻
愛鷹のネモフィラに櫻 咲き揃ふ 運動場をかける若人
門池公園にて
久々に 門池公園 散歩する 合歓の木さけり 今年も咲けリ
門池の鯉も水鳥春日受け 小犬も吾も歳とりにけり
日常のつぶやき(仕事を辞めて)
夕されば 酒の肴は干し魚 日々慎ましく 終活をせむ
ボケるはよ妻の声聞くまた寝たか目が霞みをり あらたな不安
仕事辞めよく寝て食べてブラブラと煙草ふかしてたまに歌詠む
生きるとはどうでもよいか健康で長寿を目指す妻子の為に
妻と子の 健康体操 楽しさう 娘四十 まだ独り者
癌だろふ 血尿検査の診断は 膀胱に石 吾生き返る
血尿と 切迫性の失禁に やむなくオムツ 情けなくなる
疼く歯を 抜歯の後の義歯二本 慣れても時に 歯を入れ忘れ
毎朝の 薬八錠 忘れずに 昨年までは 二錠を飲んだ
目標の 歩数八千 香貫山 猛暑の山も 我生き返る
オリンピックと勝負の世界 (~9月)
七月八月猛暑と変な台風に泣かされる。異常気象に慣れて久しいが。
年々の 異常気象の 台風が 予測不能の 被害甚大
日々続く熱中症の警報に ウオーキングも恐るおそるに
パリオリンピック、勝負事には筋書きがあるのかな。メイクドラマの泣き笑いだろう。
画面には三十余年の街並みがなつかしきかなパリの休日
見た様な勝負の世界 案の定悪しき予感が現実となる
一瞬のミスに泣かされ言葉なし 運は抗弁力不足ぞ
大谷翔平や藤井壮太 、天才たちの持って生まれたドラマとか運命だとか 感動を受ける日々、目が離せない。
天才の勝負気質は 無心なる世界に遊ぶ 飽くこともせず
敗因は おのれの未熟 極めるは 記録更新 奢ることなし
令和6年長月終わる
迷走台風や猛暑日や自然災害が続く
以前単身赴任の秋田近辺の地名がなつかしく
雪でなく 秋田本荘遊佐酒田 洪水に泣く 懐かしきかな
秋田から 熊の被害も 紅葉のブナの林道懐かしきかな
ブラックマンデーの再来か
かってなきブラックマンデー再来か 株は生き物魔物ともいふ
数日の上げ下げ聞けばかってなきブラックマンデー先行き不安
歩きなれた愛鷹山にも熊が出た 鈴をつけて登るか 無理して登ることはない
半世紀 徒然登りし 愛鷹も 熊の出没 増えているらし
愛鷹山の山頂で娘の檀那が心筋梗塞、無事下山して救急車で搬送、命救われた
愛鷹山 山頂神社礼せねば 急な病もはや一年か
登らむや天城の山の懐かしや思ひで紅葉ブナの夕焼け
同時多発テロ9.11
終わりなきウクライナへの侵略は歴史が語る帝国の素かも
古ゆ 侵略行為延々と数多の悲劇 歴史を刻む
米不足 輸出米ならあるらしい 米価あがるは 腹膨れるは
人間の 生き方を問ふ 財をなし 腹が満ちたら 正論を言ふ
やられたら 倍返しせむ 貰ひ物 半返しせむ世の常だらう
令和6年敬老の日の長寿祝いの案内が届く
役所より敬老の日の案内状 何やらおかし 我の名前ぞ
翔平や大の里とか壮太とか 若き勇者に憧れし我
総裁選 9人の候補の演説を聞く
候補者の似たり寄ったり生ぬるさ日本沈没早や始まりぬ
彼岸過ぎ猛暑の夏も秋の風急変の意味 肌で理解す
久々の 夕焼空のあかね雲 あっという間に 闇になりけり
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10月 MBLと将棋、衆議院選挙 其の他
秋しぐれただ静かなり 寝転べばただ耳鳴りとただ心の音
木犀の 花咲き散れど夏の空 予期せぬ豪雨 秋雨残る
衆議院選挙 金権体質と闇バイト
闇バイト詐欺電話かも 電話機の警告あれば電話に出れず
大義忘れ 国政以前の 裏金の審判となる 選挙戦なり
2024年11月7日 アメリカの大統領選挙はトランプの圧勝 冬至の富士に初冠雪
千本浜の夕日が沈む 浜は寒くてただ眺めて心は無心
立冬の千本浜の洛陽は つるべ落としの 茜の光り
富士山の初冠雪の立冬日 朝日眩しき山茶花の咲く
アメリカの大統領にはトランプが 何が何でも自国優先
令和6年霜月師走世の中が変
夏日が一変暮れの寒さに wbsc 相撲観戦
足長蜂 壁に張り付きはや三日 突けば動く 霜月二十日
満開の 山茶花咲けリ 花の中 蜂がのろのろ あの蜂だらう
大相撲 日々升席の 和服人 芸子さんかも 画面に目立つ
昨日まで 半袖姿 今日の寒 冬物探す 世の中が変
日々新聞に目を通す 香貫山の日課の散歩
訃報欄年齢見つつ思ひやる われ十余年あと十余年
会社辞めはや二十年の未練なし 株価八倍それだけ悔やむ
久々の香貫山から雪の冨士 冬の日眩しツワブキの咲く
香貫山イロハモミジの色はなし 枯葉山道今日もスタスタ