2002年9月更新
2003年9月5日修正、追加
2006年7月28日追加
2006年8月28日追加、修正
無線従事者と無線の国家試験

無線従事者と国家試験でのハプニング



無線の国家資格は大きく分けて
総合無線通信士、海上無線通信士、陸上無線技術士
航空無線通信士,陸上(海上)特殊無線技士、アマチュア無線技士
細かくは23種類です。技術士の名前が付いてるのは、文部科学省の技術士と総務省の
陸上無線技術士だけです。民間資格で何々技術士という名称は使えません。
似ている資格に技能士がありますが、これは厚生労働省の国家資格です。
最近訳のわからないなんとか協会のなんとか技能士なんてのが出てきましたけど
現在、特殊無線技士、アマチュア無線技士の免許証はラミネート加工のものですが、私は持ってません。
(XYLもコールサイン持ってますが、91年頃取得した4アマ免許証はラミネートタイプです。)
私が昔(全て昭和40年代16歳から18歳で受験)取得したアマチュア無線技士免許は一級〜四級全て手帳型でした。

昔々、昭和49年10月のことでした。まだ私が18歳だった頃の思い出です。
1アマ(第一級アマチュア無線技士)の国家試験で電気通信術(モールスの実技試験)の
送信術(その頃は電鍵を打ってモールスを送信する試験がありました)での話。
自分の電鍵で送信を始めて30秒程経ったところで、突然電鍵がぴーーーとくっ付いたまま、
離れなくなってしまいました。印字機にはただの直線がひたすら印字されるのみ。
驚いた試験官(1対1で印字機を置いたテーブルをはさんで対面してます)が
ぐるりと回って来てくれました。試験官自ら私が持参した立て振り電鍵を打って見ましたが、
やはりだめ。

本当なら試験開始後でストップウォッチが動き始めた後なので、その場で失格または不合格!
のはずでした。

しかし、偶然というのはあるもんです。
その試験官を良く見ると見覚えのある顔、試験官の方は逆に私をよく知っていそうでした。
試験官「先月通信士の試験受けられた方ですよね?」
そうなんです。当時2通(現2総通)と3通(現3総通)の本試験で1ヶ月前に、送信の
試験を受けたとき、2通か3通か忘れましたが、その時当たった試験官だったんです。
1月前の試験終了時、私は試験官に「どうでしょうか?」と聞いてしまいました。
試験官「うまいですねえ。」(別に自慢するわけではなく、事実の会話です)

という訳で、話は戻ります。
印象に残っていたのか、試験官が憶えてくれたおかげでしょう。
試験官「それでは備え付けの電鍵でやりなおしましょう。アマチュアの速さだったら右でも
打てるでしょ?」(私は左利きで筆記以外は今まで全ての通信術試験は左打ちです)
私「ありがとうございます。でも右では2アマがいいところだと思います。」
試験官「それじゃあ、しょうがないから電鍵を左に付替えて打ってください。
そのかわり、模範になる符合を打ってください。あと、終わったら電鍵を元の位置に
しっかり固定してください
。」
私は万力の小さいやつ(なんというか知らない)をゆるめ、左利き用に電鍵を移動しました。
それから、また締め直して、電鍵を固定します。
試験官「それじゃ、最初から、受験番号と名前を打ってください。」(モールスで打鍵)
救われました。欧文普通語、和文普通語と順調に打ち終わりました。
終了後、私が聞く前に、試験官の言葉「はい。満点です。」
この事で舞い上がってしまった私は、「ありがとうございました。」と言って、
電鍵を元の位置に戻すのを忘れて退室しちゃいました。

私の次に受験された方、「ご免なさい。」試験官にも「ご免なさい。」

今では、アマチュア無線の電気通信術試験は送信術はありませんし、和文モールスも
試験からなくなりました。
ですから、こんな珍事件はもう2度と起きないでしょう。

補足:平成15年の現在、アマチュア無線からもモールスの試験はなくしてもよいと、
国際的な取り決めが決定しました。
平成17年10月からアマチュア無線技士の国家試験は時代の波を受けて、
大きく変わり1級、2級共モールスは1分間25字の速度で2分間の受信のみ、
3級は実技なしとなりました。

私自身は高校2年の10月に受けた旧電信級(現3級)のときも送信術、
受信術両方体験しています。2アマも同時に受けましたが、送信術で失敗!Hi.
翌年の高校3年になったばかりの4月に受験してなんとか合格させて頂きました。


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