2/Aug/2006
3/Aug/2006(ブロックダイアグラム追加)
4/Aug/2006(スクラッチからの画像少々追加)
5/Aug/2006(スクラッチからの画像追加)
7/Aug/2006(スクラッチからの残り回路画像追加)
21/Aug/2006(参考文献を追加)
23/Aug/2006(回路図ブロックユニット1,2追加)
26/Aug/2006(回路図ブロックユニット3追加)
6/Sep/2006(部品名誤りを訂正)
11/Sep/2006(回路図ユニット6とNF参考事項追加)
13/Sep/2006(回路図ユニット10追加、本文加筆)
13/Sep/2006(回路図ユニット4(VCO部)とチューニングパネル部追加、本文加筆、訂正)
15/Sep/2006(回路図ユニット5(VCOバッファ部)追加、本文加筆)
16/Sep/2006(回路図ユニット11(帰線制御部)追加、本文加筆)
18/Sep/2006(回路図ユニット7、8追加、本文加筆)
23/Sep/2006(回路図ユニット9追加、本文加筆)
4/Oct/2006(バラクタダイオードの代替品等を少々加筆)
Copyright(C) JR2AVW/M.Ishizaki
全ての回路図をアップしました

7MHz帯 簡易・準リアルタイム・バンドスコープの設計と試作  Counter  06年9月23日より(23/Sep/06)

7MHz帯 簡易・準リアルタイム・バンドスコープの設計と試作、製作

JA9TTT 加藤OMが発表された世羅多フィルタを利用した、7MHz帯バンドスコープです

但し、2現象オシロスコープでX−Yモードを持っていることが必要です(新品で3万円台からあります)
一種の狭帯域アナログ式スペクトラム・アナライザ(スペアナ)と同じ原理です
デジタルオシロスコープをお持ちの方はFFT機能があれば必要ありませんね。
バンドスコープとして使わなければ?オシロスコープ不要です(詳しくはお読みくださいね)
2004年6月から設計、試作を始め、2005年2月のJARL東静ハムフェアで展示したものです。
未だにケースに組み込んでません。

はじめに

バンドスコープやスペアナを製作するのに大事なことは多々ありますが、そのひとつがフィルタでしょう。
今回は455kHz前後のIFでまず色々なフィルタを実験しました。
最初は一般的なセラミックフィルタ(帯域6kHzのもの)、それから水晶(456.5kHzのX−TAL)
これらは群遅延特性やらの関係でどうやっても準リアルタイム(数ヘルツ)でスイープするとその狭帯域性を
発揮できませんでした。いかに安く、ICラジオを作った人ならだれでも作れることを目的としたため
メーカー製のCWフィルタやメカフィル等は初めから問題外です。

そんな実験を繰り返しているうちに、巡り会ったのが JA9TTT/1加藤OMの「世羅多(セラダ)フィルタ(セラミック・ラダー・フィルタ)」 です。
詳しくはCQ誌に連載されてます。(御免なさい。雑誌のほうは買ってあるものの余り読んでません)
私のこれは連載前だったためOMのホームページRadio Experimenter's siteから、
設計手順とヒントを頂きました。現在は世羅多フィルタの記事は削除されてますが、今度はAVRの記事を参考に
オシロ不要にしたいなどと思いを巡らせてます。(実は1ヶ月前にオシロがとうとう壊れました!)
本機の実際の中間周波数は443kHz付近です。直列共振の特性上455付近にはなりません。

回路図はまだスクラッチ版で手書きなのとフィルタ部の加藤OMの許可も取って有りませんので、可能なら
それに希望者がありましたら公開いたします。(BFO基板を除く)



追記(2006年8月3日)

早速JA9TTT加藤OMにこのページをご覧頂き、許可も頂きました。お礼を申し上げます。

加藤OMの連載中、世羅多フィルタの記事は2006年5月号のCQ誌です。

お持ちでない方はCQ出版社にバックナンバーがありますので読まれる事を強くお薦めします。

世羅多フィルタはそもそもセラミック発振子(発振素子)として作られたものを、水晶発振子と
加藤OMは、同じように、ラダー(はしご)フィルタとして使えるだろうという逆転の発想です。値段も安い。
そして、実験だけでなく、定式化まで。びっくりです。ラダーフィルタは低周波でもアナログシンセサイザ
のVCFにもCR式ですが、良く使われていました。昭和54年頃の「ロッキンf別冊」などでも
さかんに回路が発表されています。(まだ2冊持ってます)
参考書としては泉弘志先生著「電子セラミックス」(誠文堂新光社)もあります。
この本にはセラミックフィルタのカスケード接続での結合Cの考え方なども載ってます。
まあ、余りよけいなこと考えずにCQ誌5月号を買ったほうが近道だと思います。

まずは少しずつ、回路図の清書の前に、今回はブロックダイアグラムを追加しました。


安く創って楽しみましょう

ケース代と電源を別にすれば、ログアンプも必要なしとすると数千円で作れます。

なおかつ全てモジュール単位の基板にすると、デバッグも楽で今週はここ作って来週はスイープ部
などと楽しめます。もうひとつ、オシロスコープを持ってなくても楽しめます!

X(横軸)は1目盛りがほぼ500Hzです。左側CWの2信号が分離されて写ってます(2.5kHz/DIV)
ひとつはリーダーの簡易シグナルジェネレータLSG-17から、もうひとつは本物のアンテナからのCW信号です。
よくいたずら?でキーダウン(CW)したまま周波数移動してる局がありますが、
どこから出てどこでやめたか一目で分かります。
やめた周波数上でCQ出すと、コールばれますよ。
普通のトランシーバでワッチしてると、時々ヒューとかピュ−っとドプラのように通り過ぎて行く音、それです。
FT-100に300HzのCWフィルタを入れ、
CATケーブル接続してPCで「Ham Radio Deluxe」版の
内蔵バンドスコープも使ってますが、スイープが遅いのでこれでは確認出来ません。

ブロックダイアグラム

Excelで書いて、html及びPDFに直してあります。
訂正:ブロックのなかでFCZ7S10はFCZ10S7の誤りです。(6/Sep/2006)
訂正:ブロックのなかでVCOの2SK241は2SK192Aの誤りです。(13/Sep/2006)
ブロックダイアグラムhtml版はここです
PDF版ブロックダイアグラムはここです

html版はソースを見られると非常勤の勤務先がばれてしまいます。Hi.

公開第1弾 なんとなく実験していた頃のラフスケッチ画像の極一部です日付すら入ってません

ブラウザの「戻る」で戻ってください。
1.始めは簡単に誰でもやりそうなところから(ただのイメージメモみたい)
2.手持ちの水晶の関係からスプリアス等検討(まったく今と違う周波数関係!)
3.VCOの最初のごく普通のどこでもあるイメージ回路
4.オシレータとカウンタ、オシロで各種フィルタの特性を調べ始める
5.CFU455セラフィルのカスケード等特性を調べ始める
6.同様、これは、あかん!
7.振り出しへ、ラダーフィルタの検討を始める(スペル間違ってる)
8.バンド幅やらの設計を始める、なぜかL/Cメータが思い浮かび描きとめる
以上は全く採用した物がありません。Hi.


やった、世羅多フィルタ発見!

9.CSB455Eを何百個か購入し、fs/fp(直列/並列共振)を調べ、セロテープで貼っていった
測定時、オシレータの周波数をグルッと速く回しても、反応するので、これはいける!と、直感。
10.同上、その続きの表、まずは5ポールで使える発振子を選別

さあ、世羅多フィルタの計算に、選別した素子を当てはめて見ます。
11.初めて日付が入ってました。いよいよ世羅多フィルタの設計です

ああ!先が長いこと!
12.セラフィルの変形接続!で帯域を調べてみる、ラジオには使えそうです

13.セラフィル、水晶のハイブリッド版でこれもラジオ向き、日付ありました
IF アンプはこのとき書いた回路ほぼそのままです。

14.懲りずにラダーフィルタの実験まだやってる
15.懲りずにハーフラティスフィルタの実験まで
16.水晶のCs測ろうとして、たぶんこのあと8.のL/Cメータ思いつく
17.水晶やらセラフィルのこんなおばかな変な回路でもラジオのフィルタには使える

テストした各種フィルタ回路の1部です。付けたり取ったりで基板もボロボロに。


18.エミッタフォロワの計算(DBMのTUF−1はパワーが必要)
19.エミッタフォロワシミュレートとディスクリログアンプの実験、温度特性やら悪くて使えません
20.ログアンプ 値段が高いけどテストしてみよう、AD8307の標準回路

描ける部分の回路は書いていかないと、前へ進めません。
21.帰線制御部 リセットを反転し、4066でAD8307のENBをオンオフ
22.2SK241のIdssチェック回路
23.VCOバッファ出力部 エミッタフォロワと3dB ATT定数シミュレート
エミッタ抵抗Reは電力喰いです

24.ログアンプ部 8307の最終回路と世羅多の最終直前
25.VCOの実験 プリミックスとか8MHzセラロックVXOとか
セラロック(セラミック発振子)は周波数は安定ですが、可変を大きくするとジッタ(位相雑音)がひどいです。

26.VCOその2 ジッタが取れず、とうとう純アナログLC発振器へ突入!
この頃はチューニングが楽なポリバリコンも付けてました。Cの計算面倒なのでラフですみます。
フェライトからカーボニルトロイドに、あと回路のミスも。この後2SK19も2SC734もボツになります。

27.最初のDBM回路図です
これもFB−801x2に替わりました。



クラップVCOやLPF、AFーLPFの計算、検波部の計算を平行して試作していきます

28.BFOのプロトとAF−LPFカットオフの計算
29.クラップVCOの基本回路と定数計算式、でも式通りピタリには行かない
30.バラクタ(バリキャップ)で周波数変化幅を調べて計算して行く
31.だいぶこなれてきたクラップVCOの定数、このときはまだ2ステージ
32.クラップVCOの安定度を24時間後と比較する
33.2日後に振幅不足がいやで、もう定数変更、DBMのパワーが必要で3ステージに
でもクラップはほぼ最終回路です(本当はC3を逆に小さくしたいんだけど、DBM自作の受信機ならOKです)。

34.VCOバッファ部の検討、Z変換を兼ね、苦肉の策でバイファイラステップアップトランス
35.VCOの定数再検討
36.鋸歯状波発振器、調整箇所を1箇所にするため積分器のCの検討
AR(アタック&リリース)部のダイオードの種類によって直線性が違います。

37.LPFの計算例
38.ポストアンプ部(世羅多フィルタとはわざとミスマッチです)
39.ポストアンプ部原案

40.自作DBM(ダブル・バランスド・ミクサ)回路と作り方(TUF-1の代わりにどうぞ)
DBMの作り方は手書きでないと表現難しいかも知れません。
検波部の前に入れてプロダクト検波にしても良いです。
ショットキー1SS86を使いましたが、検波部はゲルマのほうが結果はよかったです。
ショットキーはL特性に近いですが、ゲルマはS特性(の下半分)に近いので小信号検波出力の
特性はゲルマの方が、良い結果がでます。
AGCを掛けられれば、違った結果になるでしょうが...
41.検波部を計算してみる
42.最後にもう1度全体のゲインを計算し、実測してみる

43.最後おまけBFOの1例、私はJA9TTTタイプのTR−BFOですが

この回路でもテスト済みです。TTTタイプはインダクタの入手が難しいかもしれませんので
以上のIFTはすべてFCZコイルでもいけるはずです。

44.VCOのバッファとLPFとマッチングが抜けてました

FFT(今時のオシロにも付いてるものが)とかPCじゃなく、
忘れそうになる純アナログ基礎技術を残さないと、大変です(でも残すのも大変)。

各基板の詳細其の壱


左はアンテナからFCZ10S7そしてDBM(TUF−1) 右の写真のオレンジの塊が世羅多フィルタ

左側写真ではDBM基板、VCO(VFO)基板、VCOバッファアンプ基板、それにIFアンプ基板が、
ハサミの下は規格表です。
右側写真では左上がIFアンプ基板、のこぎり波発生基板、ログアンプ基板、フィルタの下は帰線制御基板です。
ダイソー100円アルミケースにバリオーム2個(チューニングとファインチューン)それにスイッチ1個が付いてます。

Bsch3Vによる正式版の回路図について

正式版回路図は後から(2年近く経って)清書しているので、
部品漏れ、記入ミスや接続ミスなど現物と、違っているかも知れません。
全て正しいと保障は出来ませんのでそのつもりでご覧ください。

部品にディスコンティニュード(ディスコン:販売中止)品番の可能性があるものは
代わりの回路図も追加してあります。
また、こうしたほうが良い等改良出来る部分は補足説明を入れてあります。

回路図は全てBsch3VのCE3形式ではなく、JPEGに変換してあります。
以降の正式版回路図で、X2とかX3の表記が多々ありますが、「全て同じ値のパーツを
2個(3個)パラレル(並列)接続をしてあります」という意味です。
単に横着なだけですが。
例として抵抗Rなら330(1kX3)、コンデンサCなら0.2u(0.1uX2)など。
1本で近似値のパーツをお持ちなら、わざわざ同じように用意して配線する必要はありません。

FCZ10S7同調部(Unit 1)回路図と補足説明です

これを作った頃、ミニサーキット社のTUF−1が5個1000円だったので利用しましたが、今はディスコン?。
手に入らなければ、FB−801を2個とショットキーバリアダイオード4本のDBMで、行けます。(テスト済み)

トライファイラコイルを巻くのはどうも...という方はFCZのトライファイラコイルでもOKです。

ミキサのDBM(TUF−1)部分で損失は6dBほどあります。
FM用等のICや、ギルバートミキサICを使うとゲインは取れますが、
ディスコンティニュード(生産中止)になると代替品(だいたいひん)の問題が出てきます。
ディスクリートだとトランジスタの選択、選別等余計な問題もありますので、あえてDBMを使いました。
その代償としてLOにはある程度のパワーが必要になります。
本来TUF−1のLO入力はデータシートによると、6dBm(4mW)必要ですが、
今回は0〜3dBm(1〜2mW)程度を入力しています。
前段(Unit 1)にRFアンプ(出来ればFETバッファ)を入れれば、もう少しパワーを入れても良いでしょう。

DBM部(Unit 2)回路図と補足説明です


参考です。Wordの数式エディタで書いてJPEGに直したら汚い式になってしまいました。
DBMの損失とNF(ノイズ・フィギュア)に関しての参考です。(S/Nは電力計算)


世羅多フィルタは5ポールで約19dB位損失があるためゲイン調整可能なポストアンプを2段入れました。
7ポールも実験しましたがガウス分布みたいな綺麗な特性にならず、また損失が多い、
誰が作っても成功するわけではない等の理由から採用しませんでした。


Unit 3.のIFアンプは2段で1段目のゲインが約23dB(14倍)
2段目は約29dB(30倍)で合計約52dB(420倍)です。
(電圧ゲインです)

私は7メガはフルサイズのダイポールアンテナを使っているので、これで十分ですが
市販の数メートルの短縮アンテナ等でゲインが不足するときは、1段目のソース抵抗Rs
(180オーム)にパラに0.01uF(103)を入れるとゲインが上がりますが、
くれぐれも発振に注意してください。発振するとかなり高周波数でフルスイングします。

Unit 1にFETアンプを入れるときは、このままでOKです。
バイアスは1段目がVGSは−0.35Vで、2段目のVGSは−0.4Vです。
DDが違うので注意してください。
2SK241のYランクが手に入らないときは、規格表からIDを確認し、
それぞれのRsを変更し、IDが2mA程度になるようなRsを決めてください。

443kHz IF AMP部(Unit 3)回路図と補足説明です


Unit 6.が先になりますが、世羅多フィルタは実際の計算はBW400〜500Hzで計算したので、
フィルタ基板全体の損失が入出力抵抗と併せて約28dBと多くなってます。
抵抗を省いてしまうと、裾部分のスカート特性が悪くなります。

443kHz 世羅多フィルタ部(Unit 6)回路図と補足説明です


各基板の詳細其の弐


左はVCO(VFO)基板 右は使った部品で一番値段の高いログアンプ8307基板です
基板裏はDIYで買った銅テープを多用しています。(透けて見えてます)

VCOのスイープ発振周波数は7438kHzから7533kHzの約95kHz幅、IFは443kHzなので
実周波数は6995から7090kHzがモニター範囲です。7140以上は見えないほうが!(アジア圏の放送が)
7メガ台のVFO(VCO)は安定度と振幅偏差確保は結構実験が必要です。(フィルタと同じく何個作ったか!)
4メガ、8メガのセラミック発振子をVXOにして見たり、これも色々実験しましたが、結局T−37−6の
トロイダルコアとマイカコンによるクラップ発振回路に落ち着きました。
マイカは表紙のリンクにある大進無線さんに、在庫があります。
クラップで良くコルピッツ部分でいうC1,C2,それにクラップの心臓部C3(判って貰えるか心配)
コイルに繋がるそのC3は大き過ぎると周波数が不安定になり、小さ過ぎると発振しない、
周波数により振幅偏差が大きいと、最適化が必要です。(これはいくら簡易バンドスコープでも致命傷になる)
余り帯域を欲張ると下側ヘテロダインのスプリアスが入ってくるのでFCZ10S7を1個では防げません。


VCOの半田側とバッファ、電流増幅(エミッタフォロワ)です。結構部品の付けはずしで汚いです。
左側出力の黒い部品、LPFの1uHは千石電商で買ったマイクロインダクタです。

VCO(VFO)の正式版回路図です。(2006/Sep/13)
上記のC1,C2,C3の部品番号だけは回路図上に記載しておきました。
VCOのバラクタダイオード(varicap)は印加電圧Vrが2Vから10Vの時、
容量比は3程度、4pFから12pF程度のキャパシタンスであれば、他の型番で構いません。
VCO(Voltage Controled Oscillator)
VFO(Variable Frequency Oscillator)
(追記:2006/Oct/4)

VCO/VFO部(Unit 4)+パネル部(ユニット外)の回路図と補足説明です

VCOバッファは結局ステップダウントランスで(コイルを巻く手間がひとつ増えますが)渡しています。
ふう、やっとここまでアップしました。

VCOバッファ部(Unit 5)の回路図と補足説明です

ログアンプは単にモニターするだけなら不要です。見た目はゲルマニウム検波出力をオシロのY軸入力に
したほうが、見栄えは良いです。電圧表示なので、派手にスペクトル表示してくれます。Hi.
設計の腕と、あと試作なのでログアンプ入力をシールドしてないのでダイナミックレンジは45dBm程度
しか取れてません。直接飛び込みがノイズフロアをあげてしまってますがバンドスコープなので良しとします。

高くてもったいないので、なくても良いです。
私はソケットに挿してあります。Hi.

ログアンプ部(Unit 9)の回路図と補足説明です

オシロをお持ちでない方の楽しみ方(お持ちの方も)

実はスイッチでスイープから5V電圧に切り替えて、BFO基板のスイッチもON、
検波出力はS9の信号で200mVp−p程度ありますから、PC用アンプ付きスピーカに繋ぐと
バリオームとバラクタ(バリキャップ)ダイオードでチューニングする
シングルスーパヘテロダイン式7MHzSSB/CW受信機になります。
フィルタの帯域が600〜800Hzと狭いのでSSBはなんとか聴けるレベルですが、分離度は良好です
CWでは実用に使えます。
CWのサブレシーバとするだけならスイープ発振器基板、帰線制御基板が不要になるので
電源もマイナス12V不要となり、+12Vの電源が用意できればOKです。
もっと安く簡単に作れます。DC受信機と違ったスーパらしい音がします。(フィルタくさいともいうが)
書き忘れてましたので、追加です。
バンドスコープ(狭帯域スペアナ)という性質上、AGCは入れられません。
そのためもあり、ダイナミックレンジは低めです。

オシロをお持ちの方

BFOをオフまたはオンのままにするとスペアナのゼロスパンモードつまりオシロモードになります。
フィルタのお陰で、PSK31の直交(IQ)信号やSSTVの同期信号のみ、など観測できます。

検波基板(ショットキーとゲルマニウムダイオードの2系統)と受信機使用時のBFO基板です
写真右側の3枚の基板がポストアンプ基板、BFO基板、検波基板です。
一番左ののこぎり波発振基板はオペアンプ4558D1個で一般的な積分器とコンパレータで、
オシロのX軸とVCOに繋げます。

ポストアンプ部
回路図を見ていただくと、ポストアンプ部の入力部にIFTが入ってませんが、
これはIFTが足りなくなって来たからです。(手抜きです)Hi.

IF ポストアンプ部(Unit 7)回路図です

検波部は2種類、お好みでどうぞ。
回路図でパッとみると分かりにくいかもしれませんが、
外来ノイズ混入防止兼ノコギリ波、及びBFOノイズ減少のためのバンドパスフィルタを入れてあります。
検波はショットキーは直線検波(包絡線検波)ですが1N60では小信号時は2乗検波の動作になります。
BFOを注入してサブレシーバとしてお使いなら、1N60または相当品の方をお薦めします。
BFOはダイオードのアノード側に数ピコで注入してください。
ここは2200pがないからといって、0.01uなどに替えないでください。
大き過ぎるとダイアゴナルクリップ(けさ切りヒズミ)が発生して、スペクトル表示の
スカート部分が広がってしまいます。すると結果としてRBWが低下します。
いくらか小さい分にはOKです。
なぜかはお分かりですね?大きくすると、電源部の平滑コンデンサと同じことです。
ゲルマラジオの検波部のように、まあ適当に、という訳には行きません。
フォーンジャックの出力インピーダンスは約35kオームにしてありますので、
大抵のPCや外部アンプの入力に直結できますが、
低インピーダンスのヘッドフォンは直接繋がないでください。

包絡線検波部とAF−BPF(Unit 8)回路図です

Unit 10の正式回路図です。
本当はツェナで振幅制限を掛けたほうがいいんですが、出来るだけ簡単にしました。
出来たらオシロで直線性と振幅調整をしてください。
なんとかちらつかないぎりぎりの定数にしてありますが(約4〜6Hz)調整つまみは増えますが、
回路図中の100kをVRにすることでスイープ周波数は連続可変にできます。

ノコギリ波発振部(Unit 10)回路図と補足説明です



IF基板に5V 3端子レギュレータ(78M05=Lで良い)を載せて、各段の5V部の電圧を供給します。

帰線を消す

帰線制御(単にアナログスイッチ4066で8307をオン・オフしてるだけ)してますが、右下に少し残ります
最も右側に現れるスペクトルが小さければほとんど気になりません。隠れてしまいます。

AD8307のイネーブル端子をLレベルにすることで、帰線時間は8307をノンアクティブにします。
4066はHCタイプのほうが良いです。
試作ではHCを持っていなかったので4066Bを使いました。
精度を要求するなら、こんな基板間配線はダメです。
机(テーブル)が金属だとノイズが乗って来ます。

帰線制御部(Unit 11)回路図と補足説明です



鳥瞰図です。オシロには7メガ帯の信号スペクトルが写っています。(汚いなあ)


私が使っている電源は何年か前に東静ハムフェアで50円で買ったジャンクのスイッチング電源ですHi.

絶版または改定がありますが、参考文献を挙げておきます(順不同 著者の敬称は略させていただきました)

Web関係を除く

ラジオ&ワイヤレス回路の設計・製作   著者 鈴木憲次   発行 CQ出版社
新・低周波/高周波回路設計マニュアル   著者 鈴木雅臣   発行 CQ出版社
トランジスタ回路の設計   著者 鈴木雅臣   発行 CQ出版社
続トランジスタ回路の設計   著者 鈴木雅臣   発行 CQ出版社
確実に動作する電子回路設計   著者 上野大平   発行 CQ出版社
はじめてのトランジスタ回路設計   著者 黒田徹   発行 CQ出版社
実験して学ぶ高周波回路   著者 櫻井紀佳   発行 CQ出版社
電子回路シミュレータ入門   著者 加藤ただし   発行 講談社
高周波回路の設計   著者 久保大次郎   発行 CQ出版社
LCフィルタの設計&製作   著者 森栄二   発行 CQ出版社
発振回路の設計と応用   著者 稲葉保   発行 CQ出版社
無線工学A   著者 横山重明・吉川忠久   発行 東京電機大学出版局
実用電子回路設計ノート   著者 トラ技編集部編   発行 CQ出版社
THE ARRL HANDBOOK FOR RADIO COMMUNICATIONS 2004   著者 ARRL編   発行 ARRL
実験して学ぶ高周波回路   著者 櫻井紀佳   発行 CQ出版社
高周波技術センスアップ101   著者 広畑敦   発行 CQ出版社
高周波回路の設計・製作   著者 鈴木憲次   発行 CQ出版社
トロイダル・コア活用百科   著者 山村英穂   発行 CQ出版社
電子セラミックス   著者 泉弘志   発行 誠文堂新光社
トランジスタ規格表 ’83
FET規格表 ’83
ダイオード規格表 ’03(ハムフェアで購入したら、カランカランと鐘の声、トレーナーが当たりました)

余談ですが、アナログシンセサイザで鐘の音はバランスドミキサ(リングモジュレータ)で造れます。
低周波でも、高周波と同じようにVinとLO(三角波)の掛け算を行ないます。
以前ローランドのシステム100というパッチ式シンセ持ってました。
リアリティのある音はにがてでも、音そのものの創作には最高でした。

いまだにキーボードはヤマハのPSR−500なんぞを持ってます
5歳ぐらいから修了まで通ったオルガン教室の「キー」から始まり、アマチュア無線の「キー」
通信士時代の「キー」、キーボード楽器の「キー」、PCの「キー」、
一生「キー」からは、離れられないようです。

各規格表はCQ出版社
最新の規格表は、静岡県東部の方なら、富士市立中央図書館でも借りられますHi.
でも、自作を続ける気持ちが涌いてきたら、買って自分で(見るのでなく)読みましょう!

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