藤沢秀行名誉棋聖に学ぶ

名言抄(「秀行の創造」より)

 

15.芸へのおそれ

 

将棋がわかった。と思ったとき、私の将棋は止まった。ー私の古い友人だった将棋九段の芹沢博文さんの至言です。

 

将棋も、碁も、道は深遠です。人間の一生ぐらいで究め尽くすなんていうことはとてもできません。しかし、若い時は、つい天狗になってしまう。将棋がこのようなもの、碁はこんなもの、と決めてしまいがちです。そしてそこから退歩が始まります。

 

私はそのことがわかっているため碁を恐れています。道をおそれ、つねに研究をおこたらないようにしなければなりません。新しい碁の発見−創造−はそのような研究なくしてありえないと思います。

 

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