知識はないよりもある方がよいかもしれません。なんにも知らないのではお話しになりませんから。ただ、最近は情報過多というのか、わずらわしいほど知識を詰め込まされています。知識を消化しきれないうちに、新しいものを押しつけているようです。ものごとの表面だけをとらえて、内面まで洞察できない、そのような知識が多くなっているのではないでしょうか。 プロを目指す少年、少女たちの碁を見ていると、時にキラキラと輝く才能を感じますが、知識を消化しきっていない面が出ていることがあります。知識に毒されているケースといってよいでしょう。 自分の打った手、それは過去に打たれた形の踏襲かもしれません。定石といわれるものの大半がそうですが、その手は自分で責任を持って処理しないといけません。 |