槍ヶ岳(3,180m)

2013年8月19日(月)〜21日(水)

上高地〜徳沢〜槍沢ロッヂ〜槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳(往復)

Day1

10日前の賑わいが嘘のようです 岳沢から奥穂高岳までよく見えています
明神岳と前穂高岳 外観をリニューアルした徳沢園 横尾に到着
槍見河原にて槍の穂先と対面(ピンボケ) 一の俣の指導標 二の俣の指導標
槍沢ロッヂに到着 … 設備の整った、とても快適な山小屋でした(男女別お風呂あり)。生ビールあり!
夕方撮影した槍の穂先 … 槍沢ロッヂの広場に望遠鏡があり、槍の穂先が見えました

Day2

ババ平の指導標 ババ平から望む東鎌尾根 大曲に向けて槍沢沿いを進みます
大曲の指導標にて記念撮影 … まだまだ余裕があります 天狗原の分岐に向けて出発 … 槍は霧の中
槍沢に残る雪渓(恐らく万年雪) 天狗原の分岐にて … まだ余裕 グリーンバンドを抜けレインギア着用
ヒュッテ大槍への分岐 坊主の岩屋(2,660m)にて 殺生ヒュッテへの最初の分岐
 殺生ヒュッテ 殺生分岐 槍ヶ岳分岐 … あと少し
えっ、行くの? … 行きます!! まだまだこの辺は余裕 いよいよ核心部へ!!
一息ついています 岩の塊です 両手・両足をつかってよじ登ります
上の方が見えてきました まずは小さな梯子 最後の2連の梯子に取り付きました
登頂記念1 登頂記念2 登頂記念3
下りの最初の梯子 下りの2番目の梯子 そして、至福の一杯

Day3

    
霧雨の中をペアルックで下山開始です
こんな具合に100m毎に表示があります … これらは下山しながら撮影しました
 ガレ場から槍沢の見下ろす グリーンバンドから槍沢見下ろす 水沢と呼ばれる水場 … 水は豊かです
 蝶ケ岳 ニッコウキスゲ 槍沢ロッヂに到着
 横尾まで4q 下山開始から7時間21分で上高地に到着 半熟卵入りカレーパン


おまけ

槍ヶ岳ロッヂ 夕食 槍ヶ岳ロッヂ 朝食 槍ヶ岳山荘 夕食
(ワインは別売り)
槍ヶ岳山荘 朝食


《コメント》

槍・穂高連峰の中でも一際目を惹く綺麗な三角錐の山。
どこから見ても一目でそれと判る独特の形をした槍ヶ岳。
誰もが一度は登ってみたいと憧れるその山の頂(3,180m)に、
この夏、この足で立つことができました。

上高地から経由地の横尾までは11q、約3時間の行程です。
横尾で昼食・休憩し、一晩目の宿泊地である槍沢ロッヂに向かいました。
横尾から槍沢ロッヂまで約1時間40分の行程。
高低差約320メートルの登山道を槍沢沿いに緩やかに登っていきます。
途中、槍見河原で初めて槍ヶ岳の山頂と対面できます。
その後、一の俣、二の股に架かる橋を渡り、左手に槍沢ロッジの水力発電設備が見えたら、
槍沢ロッヂまではもう間もなくです。

槍沢ロッヂは、槍ヶ岳を目指す登山客のほとんどが宿泊する山小屋です。
水が豊富にある山小屋で、男女別のお風呂まである、設備の整った山小屋です。
団体でなければ予約の必要もなく、自分たちのその日の行程に合わせて利用可能な山小屋です。
広場に置かれた望遠鏡で、これから目指す槍ヶ岳の山頂を眺めることができます。
なお、テント場は槍沢ロッジから30〜40分登ったババ平にあります。
テント泊する場合は、ロッジで手続きをし、ババ平まで登っていかなければなりません。

2日目の天気予報は「霧または雨」とのことでした。
登山者の多くが、登ろうかどうしようか迷っていました。
「どうせ行っても何も見えないよ」、そんな声も聞こえていました。
私たちは、たとえ雨でも、とにかく槍ヶ岳山荘までは行くと決めていました。
その後は、山荘に着いた時点で考えることにし、
予定通り、6時に槍ヶ岳山荘を目指し、槍沢ロッヂを出発しました。

ババ平のキャンプ地に出ると、東鎌尾根がよく見えるようになります。
ババ平ではテントが数張設営されていました。
もう出発した人たちのものなのか、これから出発する人たちのものなのかは判りません。
ババ平はその名の通り、平らに整備されたキャンプ場でした。
ババ平から槍ヶ岳までの距離は5qと案内されていました。
ババ平を過ぎ、槍沢沿いにしばらく歩いて行くと、最初の休憩地である「大曲」に到着しました。
ここは、東鎌尾根への分岐点です。
大曲で休憩していたとき、後続のパーティの若いガイドさんが
「雲の動きを見ると、雨が降るのは午後から」と、パーティのメンバーに伝えていました。
そのガイドさんの声に随分勇気づけられました。
そのパーティは、大曲から水俣乗越まで登り、東鎌尾根を通って山頂を目指すと言っていました。
本来なら大曲でようやく槍ヶ岳と対面できるはずだったのですが、
残念ながら稜線から上は霧の中でした。

大曲を出発し、次に目指すのは天狗原との分岐です。
この分岐まではそれ程傾斜もきつくありません。
目の前にこれから登っていく槍沢沿いの登山道がよく見えます。
左手に雪渓を眺めながら、徐々に高度を上げていきます。
ほどなくして分岐に到着しましたが、
勝負は、ここからです。
いよいよ、ここから本格的な登りが始まるのです。

分岐からしばらく登ると、このルート最後の水場に到着します。
水は豊富なので、ここまでで水筒を空にしてしまっても安心です。
ここでもう一度水筒を満たし、本格的な登りに備えましょう。
水場で顔を洗い、首の後ろを冷やしてリフレッシュしました。
水場を過ぎるとしばらくはお花畑が続きました。
「グリーンバンド」と呼ばれるモレーンの上のハイマツ帯にさしかかると、
標高は2,500mに達しています。
そこを抜けると次は岩稜地帯に入り、ますます傾斜はきつくなります。
ヒュッテ大槍への分岐、殺生ヒュッテへの分岐を次々とクリアしていきます。
殺生ヒュッテへの分岐を過ぎると、岩稜帯も終わり、ガレた登りに変わります。
そこをジグザグに登るようになったら、あと一息です。
100m毎に表示があり、勇気が出ます。
5時間かけてようやくたどり着いた「槍ヶ岳山荘」は3,080mに位置しています。
槍沢ロッヂから、実に1,260m登ってきたことになります。
標準的なコースタイムが4時間30分ですから、結構いいペースで登ってきたと思います。
到着後、すぐにチェックインし、荷物をデポし、昼食にしました。
槍ヶ岳山荘には「キッチン大槍」という食事処があり、私たちはラーメンとカレーを頂きました。
冷えた体に、温かな食事は何よりの疲労回復剤となりました。

槍ヶ岳山頂は依然として霧の中でしたが、まだ雨は降っていなかったので、
食後の休憩もそこそこに、すぐに頂上にアタックすることにしました。
三角錐は霧の中でしたが、視界がないわけではありませんでした。
手元も足元もよく見えます。コースもよく視認できました。
歩き始めると、すぐに岩との闘いです。
両手、両足を使い、三点確保で登っていきます。
いくつかのクサリ場、梯子をクリアし、最後の2連の梯子の下に立ったとき、
「あと少しだ。頑張ろう」と自分に言い聞かせ、
慎重に梯子を登っていきました。
そして、ついに槍ヶ岳の山頂に立つことができたのです。
思わず、「やったー」をいう歓声と共に、ハイタッチで喜びを分かち合いました。
同時に登ってきた人たちとも喜びを分かち合い、互いに写真を取り合って、
しばらくの間、山頂に留まっていました。
眺望はありませんでしたが、数人で山頂を独占し、
山頂を極めた感慨にふけっていました。
その後は、慎重に下山し、槍ヶ岳山荘で生ビールで乾杯!!
しばらくすると雨が降り出しました。
何というラッキー。

翌日、予報通りの雨。
日程に余裕があったので、雨の中を南岳まで縦走し、南岳小屋にもう一泊し、
次の日に下山するというコース変更もありましたが、
楽しみにしていた縦走をあきらめ、上高地への下山を決意しました。
山では、こういった判断も必要だと思いました。
朝6時に槍ヶ岳山荘を出発し、雨の中を上高地に向けてひたすら下山しました。
上高地までの距離は約22qです。
雨は降っていましたが、登山道はしっかりと見えていました。
まずは天狗原の分岐、次は水俣乗越への分岐である大曲を目指して、慎重に下山することを心がけました。
天狗原の分岐までは特に慎重に下山しました。
岩稜帯を抜け、グリーンバンドを抜け、1時間20分程で天狗原の分岐にたどり着きました。
その後、分岐から大曲まで30分で下山しました。
ここまで来れば、あとは槍沢沿いの登山道をだらだらと下山するだけです。
危険な箇所はほとんどありません。
大曲から槍沢ロッジまでは50分位かかりましたので、
槍ヶ岳山荘から槍沢ロッジまでは3時間かからずにまで下山することができました。
行きは5時間かかりましたから、その差を考えると、
登りの大変さが分かります。

槍沢ロッヂでトイレ休憩と水分補給をし、横尾に向けて下山を開始しました。
横尾では水分補給だけの休憩をし、徳沢に向けて早々に出発しました。
徳沢で衣服の調整をし、行動食でエネルギー補給をしてから上高地に向け再び下山を開始しました。
前回の蝶ケ岳登山の時もそうでしたが、明神では休憩しないことを決めていました。
つまり、徳沢から約2時間歩きっぱなしです。
最終的に上高地バスターミナルには13時20分に到着しました。
6時に槍ヶ岳山荘を出発したので、7時間20分かけて約22qを下山したことになります。
バスターミナルでカレーパンとコーラを購入し、13時30分発のバスに乗り込みました。

お盆休みも終わったと言うこともあり、
上高地は相変わらずの賑わいを見せていましたが、
各地で見かけた登山者の数はめっきり減っていました。
夏山登山のシーズンも一段落したといった感じがありました。
次の紅葉シーズンには、また多くの登山者がこの地に入ってくるでしょう。
宿泊した2カ所の山小屋も、繁忙期に比べると、とても空いていて、
居室のスペースもゆったりとしていて、余計な気遣いをせずに利用することができました。
そういう意味では、この時期の山行は快適です。

14時過ぎに車を駐めてある沢渡に戻りました。
その後は、温泉で汗を流し、帰路につきました。

槍ヶ岳は、本当に素晴らしい山でした。
山頂を究めたときの気分が比べものになりません。
残念なことに眺望は望めませんでしたが、
それでも、登ってよかったと心から思っています。
山頂に自分の足で立てたことは、一生の思い出になりました。
誰が何と言おうと、私たちは、槍ヶ岳の山頂に立ったのです。