綾子「いや〜、ついにと言うかやっとと言うかとうとうと言うか、泣いても笑っても境地に来ちゃったわねぇ」
千秋「そーだなー」
綾子「ほんと……長かったわねぇ」
千秋「ホントだなー」
綾子「これで、ほんとのほんとに最後なのねぇ」
千秋「まったくだなー」
綾子「まったくよね……って長秀あんた、さっきからなんなのその生返事は!もっとビシッとしなさいよビシッと!あんたやる気あんの!?」
千秋「いや、ちげぇって晴家……こう、な。これでホントに最後なのかと思うと……今までの四百数十年間のワリに合わねぇ人生が走馬灯のように頭んなか駆け巡っちまって……ああ、クソッ、マジで涙でてきた」
綾子「うう……そうよね、分かるわよその気持ちっ。あたしもさっきからあまりの感慨深さに目頭が熱くなっちゃってもう……」
千秋「バッカ、おまえ、俺様の涙とおまえの涙じゃあ全然重みがちげぇんだよ!おまえなんざ昔っから何かとあっちゃーしょっちゅう男泣きしてたじゃねーかっ!」
綾子「男泣き言わないでよ!悪かったわね涙腺ゆるくって!」
千秋「あー悪りぃよこの感動屋が!」
綾子「なによ!だいたい泣いてたのはあたしだけじゃないでしょっ、景虎だって普段あんなにエラそうにしてたってあたしらの見えないトコでいっつもいっつもメソメソ泣いてたんだからっ!」
千秋「まったくだぜあいつ男のくせにいっつもいっつもイジイジしやがって!あの女々しい性分いつ治るかいつ治るかと心待ちにしてたってのに結局前より数倍悪化してやがるじゃねーかっ!」
高耶「……おまえら、他人の悪口はもっと小さい声で話したらどうなんだ……
(怒)
綾子「あら、景虎帰ったんじゃなかったの?
(←もはや動じない)前回の後『あんなくっだらねぇ座談会二度と出てやるもんか』って散々言ってたじゃない」
千秋「あっ、てめぇいいトコ来やがったなちょっとここに座りやがれ!俺様がその捻くり曲がって三回転半ムーンサルトしたてめぇの根性叩きのめして真っ直ぐに引き伸ばしてくれるっ!」
高耶「(無視)。帰ろうと思ったんだけどな、まぁ最後にせっかくだから出てやろうと思い直したんだ。なにしろこれで最後なんだし」
綾子「……うう……景虎ぁ……そんなに最後最後って連呼しないでよ……読者泣かす気なのぉ?」
高耶「泣いてんのはおまえだろ」
千秋「嘘こけ。てめーが一番泣いてんだろが。『次が出たらもう直江とイチャイチャできなくなっちゃうー』ってな」
高耶「………………んなことで泣くか」
綾子「あ、赤くなってる。図星ね。可ぁ愛いーの」
千秋「やっぱりじゃねーかよ、この泣き虫野郎〜」
高耶「うっせえ!泣き虫言うなっ!
(真っ赤)だいたいてめーはどうなんだよ千秋っ。自分こそ一人でこっそりピーピー泣いてんじゃねーのか!?」
千秋「あぁん?俺様がいつ泣いたってぇ?冗談じゃねーっつの!だいたいそれを言うならこちとらてめーらSM主従のおかげでこの四百年間で通算何べん泣かされたと思ってやがるっ!」
綾子「駄目よ長秀。苦労の掛けられ方の点で言ったら色部さんに匹敵する者はいないわよ」
千秋「ううっ、……確かに。あの慢性胃炎の持ち主は、あのバカップルに人生狂わされた数多き被害者達の中でも記念すべき第一号を飾る、他の追随を許さぬ傑出した苦労人だな。……追随したくもねぇが」
綾子「過去、その胸のうちで密かに呑んだ涙の量や、数知れず……」
千秋「ああはなりたくねぇよな、晴家……」
綾子「もう手遅れだと思うわよ、長秀……」
高耶「あのなぁ……さっきから聞いてりゃおまえら、四百年来の主君をいったい何だと思ってるんだ!」
千秋「男っタラシ
綾子「直江狂い
高耶「おまえらなぁ……
(半泣)
綾子「あ、そういえば直江と言えばさ。直江が泣いてる姿って私一度も見たことないのよね」
千秋「俺だっておまえに泣き顔見せた覚えはねぇぞ」
綾子「なーに言ってんのよ長秀。あんたなんて百五十四年前の『例のあれ』の時に、あたしの前であんなに散々大泣きしてたくせにぃ〜?」
千秋「うげっ!?いやっ、あの、あの時はだなぁ……っ」
高耶「なんだ?『例のあれ』って」
綾子「実はね景虎、この男……」
千秋「うわわわわわわっ!言うな晴家ええっ!あの時のことはおまえと俺だけの秘密だってあれほど約束しただろーがああッ!」
綾子「もう忘れたわ、そんな昔の約束
(しれっ)
千秋「嘘こけ!じゃあ何でンなに正確に年数まで覚えてんだよっ。男同士の約束だぞ!」
綾子「あの時はもう女でしたー」
高耶「で、結局なんなんだ。『例のあれ』って」
千秋「ん、んなことより、話を元に戻そーぜっ。なっ?そうそう直江の泣き顔の話だったな、うん。俺も一度も見たことねぇぜ?」
綾子「そうよ、長秀のアホ話なんかはどーでもいいんだわ。問題はあいつをどうやって泣かせるかだったわ!」
高耶「何か微妙に論点がズレてる気もするけど、オレは見たことあるぜ」
綾子「えっ、いつ!?」
高耶「そりゃー何度も何度も」
千秋「なんだ……鳴かされてんのはてめーの方だけかと思ってたぜ」
高耶「なんか今『な』の字が違っただろ」
千秋「あ、ナニ考えてんのー?俺そんな意味で言ったんじゃねーもんなー。景虎ってば、ヤーラシィ〜」
高耶「……!
(赤面)てめっ、千秋!」
綾子「はいはいベタな反応してないのー。で、ほんとにどういう時に泣くんだって?」
高耶「どういうってなぁ。そりゃあオレがらみの時に決まってるだろ。あいつがオレ以外のことで泣くなんて許せねーな」
千秋「はぁ、『あいつの涙はオレだけが知ってればいいんだ』ってことかい。そりゃあお熱いことで」
高耶「あいつ、オレの前では結構ボロボロ泣くんだぜ。
多分ミラージュ全シリーズ中あいつが2番目に泣き虫だろ」
綾子「あんた自分がミラージュ全シリーズ中1番の泣き虫だと堂々認めてるわよ、その発言は」
高耶「何言ってんだよ。ミラージュで一番泣いてるヤツって言ったら決まってるだろ」
千秋「誰」
高耶「読者
(←ズーン……)
綾子「さっきからどうしてそんな泣かせることばっか言うのよ〜
(泣)
(しんみりしたトコで直江登場)
直江「遅くなりました、高耶さん」
千秋「うわ、噂をすればMが来た」
綾子「え、むしろSじゃないの?」
高耶「何言ってんだ?直江はN≠カゃないのか?」
千秋「ボケてんなよこのリバーシブル主従め」
直江「待て長秀、俺達はリバーシブルなんかじゃないぞっ」
綾子「あー誰もそんなこと考えてないから安心しなさい……」
高耶「何なんだ、そのリバーシブルって」
直江「あなたは知らなくてもいいことですよ
(ニッコリ)
千秋「激しく誤魔化してんな」
綾子「よっぽど嫌なのね」
色部「馬鹿なこと言ってないで……さっさと座談会なりなんなり始めないのか……」
高耶「あ、勝長殿いたのか」
色部「…………
どーせ…

         
春よ、遠き春よ。
〜夜叉衆+α座談会Part2〜
         

高耶「ということで前置きは異常に長くなりましたが、めでたくも来春に全シリーズ完結を迎える『炎の蜃気楼』40巻発売を前に、元冥界上杉軍総指揮者にして現在は赤鯨衆西の総軍団長である私、上杉景虎こと仰木高耶が、元夜叉衆のメンバーを代表して読者の皆様にこの場でご挨拶させていただきたく思います」
綾子「なんて長ったらしー肩書き……」
千秋「どーせなら『拉致られキング』と『男殺し』と『赤鯨衆のカリスマトップアイドル』も付けちゃーどーだ?」
綾子「ついでに言うとめでたいのかどうかさえ激しく怪しいわ
千秋「それを言っちゃーおしまいだ」
直江「おまえ達やめないか、見苦しい。最後ぐらいは大人しくできないのか」
色部「そうだぞ長秀、晴家。散り際は潔く、終わり良ければすべて良しだ」
高耶「ま、本当に次で終わればの話だけどな……」
綾子「そうねぇ、何しろ『火輪の王国』や『怨讐の門』の例があるし……」
千秋「完結が延期になったら延期になったで、管理人がまた泣きまくるんだろーがよ。ったく、うぜーよな」
色部「延期になろうが無事完結しようが、結局グズグズ泣きまくってうざい≠アとには変わらんだろう」
直江「それはここの管理人だけではなく、全国ミラージュ読者全般において言えることでしょうが……」
高耶「オレは別に延期になっても構わないけどな」
綾子「あんたは単に、直江ともっと一緒にいたいからでしょーが」
高耶「……っ、おまえらすっかりオレをからかうことに味しめてやがるだろっ
(怒)
千秋「けけけ。いーまさらなこと言うなって」
直江「いいじゃないですか高耶さん。私もあなたともっと一緒にいたいですよ。……延期になるといいですね」
高耶「え…………あ、うん……まぁな……
(赤面)
色部「景虎殿……
(←なんだかうるうる)
綾子「どうでもいいけど……、来春の40巻発売後にこの辺り読み返したら、管理人間違いなく大泣きするんでしょうねぇ……」
千秋「『あの頃は良かった……』ってか」
色部「思えばこうやって5人そろうのも、かれこれ何年ぶりだろうなぁ……」
高耶「そうだな、5人一緒に戦ったのなんて、40年前が最後だからな」
綾子「4人そろったのだって、4年前の萩での戦いが最後なのよ……」
千秋「そーだよなー。その直後に直江は死ぬし」
綾子「景虎は発狂するし」
高耶「新上杉は興るし」
色部「直江は蘇るし」
直江「小太郎は俺の代わりになるし」
千秋「景虎は泣くし」
綾子「すねるし」
千秋「小太郎誘惑するし」
綾子「かと思えば黒カシミアコートの見知らぬ男に走るし」
千秋「しかもその男が霊波同調した直江だし」
綾子「19歳で学ランだし」
色部「長秀は宿体死ぬし」
高耶「晴家も織田に囚われるし」
千秋「景虎は邪眼になるし」
色部「直江は総大将降りるし」
直江「ようやく四百年の悲願を達成できたし」
高耶「しかも直江から逃げるし」
千秋「赤鯨衆なんざに入るし」
高耶「いつの間にやら仕切りグセ出ちまうし」
千秋「ついでに男殺しグセも発揮してやがるし」
直江「追いかけていけばまた逃げるし」
高耶「結局一緒に赤鯨衆入るし」
直江「大転換は成就させてしまうし……」
高耶「直江は失語になるし……」
千秋「俺の宿体もまた死ぬし……」
綾子「結局自分で脱出するまで誰も助けに来ようともしないし……」
直江「高耶さんは指名手配のテロリストになるし……」
高耶「直江は不能になるし……」
千秋「景虎は信長に拉致られるし……」
高耶「直江は織田に寝返るし……」
綾子「伊勢神宮衛士になるし……」
高耶「しかも魔王の種なんざ植えられやがるし……」
色部「景虎殿は天魔の娼婦になるし……」
高耶「新上杉は織田に付いてるし……」
直江「信長の見ている前で抱かされるし……」
高耶「オレを荷物みてーに担ぐし……」
色部「晴家にも魔王の種が植えられていたし……」
綾子「しかも弥勒に宿体も殺されるし……」
高耶「直江はオレを拳銃で撃つし……
撃つし……撃つし……
蘭丸「とんでもないモン見せられるし……(泣)(←あ)
直江「弥勒に時空縫合されて、超未来の姿は見せられるし……」
色部「いよいよ伊勢での最終決戦に入ったし」
千秋「内宮は蔓に覆われるし……」
綾子「眠り姫だし……」
千秋「ほんと、長かったな……」
色部「長かった……」
綾子「長かったわよ……」
直江「長かった……本当に」
高耶「なんだか途中余計なモンや余計な奴が入ったような気もするが、こうやって挙げてみると、この五年間だけでも本当に色々なことがあったよな……」
綾子「感慨深すぎるわ……
(涙)
千秋「特になぁ、こいつらがなぁ……」
色部「今生の生で、これほどまでの仲になろうとはなぁ……」
綾子「四百年前にはまったく想像もつかなかったわよねぇ……」
色部「あの罵り合いばっかりで始終こちらの胃を痛めてくれていたあの二人がなぁ……」
千秋「直江が死んで、小太郎を直江の身代わりにしてたのがついこの間なのになぁ……」
綾子「あの頃に戻って、景虎に言ってあげたいわよねぇ……」
千秋「ホント、喜んでいいのかどうか、複雑だぜ……」
綾子「素直に喜びなさいよ、嬉しいくせに」
色部「きっと謙信公も喜んでいてくれるさ」
千秋「それはどうだかな……」
綾子「あたしもそれはどうかと思うわ……」
千秋「どう考えても人選ミスだよな」
色部「やはりそう思うか?実は私も当時から直江の人選には疑問を感じていたんだ……」
綾子「ナニ考えて直江を後見にしたんでしょうね、謙信公」
千秋「きっとあの世で後から悔やんだろうなぁ……」
綾子「本当に『直江を後見人に』って言ったの?色部さん。通達間違えたんじゃないの?」
色部「ああ……そう言えば『直江……』まではきちんと聞こえたんだが、下の名前はなんだかあやふやだった気がする……」
千秋「うっ、やべぇぜとっつぁん!そりゃあ『景綱』かなんかとマジで間違えたんじゃねーのか!」
綾子「四百年後の今明かされる新事実っ!」
直江「おいおまえら!勝手なことを言うな!ちゃんと謙信公から《天闇界》で使命を受けたんだから、間違いなく私が景虎様の後見人として選ばれたんだ!」
綾子「いいじゃない直江。偶然から生まれた宿命の出逢い≠チていうのもロマンがあるわよ?」
色部「私があの時に名前を間違えていなければ、二人の人生は再び交わうことなく終わったということか……」
千秋「詩人だなぁ。しかし出逢わず終わった方が日本国民の未来のためには良かっただろうなぁ」
綾子「なんてことなのっ。一人の男の四百年前に犯した些細なミスが、世界の運命を取り返しのつかないほどに狂わせてしまったのね……!」
色部「うう……私のせいで……。申し訳ない、謙信公……
(泣)
直江「…………(駄目だ。最近すっかり忘れていたが、結託したこの三人ほど扱い難いヤツらはいないんだった……)」
高耶「ほっとけ直江。久し振りにみんなそろったから、嬉しくて浮かれてんだろ」
直江「そうですね。それならそうで、私たちは私たち二人きりで楽しみましょうか
(ニッコリ)
高耶「そうだな……おまえとも、久し振りにゆっくり話したいし……」
千秋「おーい、ちょっと目を離した矢先にイチャつくなー」
色部「駄目だぞ景虎殿、直江、所構わずは。ちゃんと公衆の迷惑も考えんとな」
綾子「いや、むしろここの公衆は喜ぶでしょうけどね」
高耶「……(相変わらず抜け目の無いヤツらだ)」
色部「ところで話は飛ぶが、最終巻だけではなく、OVAも来春にリリースするという話だな」
直江「ええ。内容はTVシリーズの続きという話ですから、9巻『みなぎわの反逆者』のエピソードですね」
高耶「……“あの”みなぎわか」
綾子「“あの”みなぎわよ」
千秋「……で、どういう話だったっけ?俺この回あんま出番ねーから記憶に薄いんだわ」
綾子「まぁ、コバルト文庫の紹介文を参考にして言えば、あたしがメインの話よ。一応、ね」
色部「なら良かったじゃないか」
綾子「まぁね……。でもミラージュ読者で『みなぎわの反逆者』と聞いて、最初に『柿崎晴家の二百年前にまつわるエピソードだ』って思い出してくれる人は、まずいないでしょうね……」
千秋「……って、あぁあぁ、そうそう思い出したぜ!みなぎわって、あの『タイガースアイ』の話か!あんだよ最初っからそう言ってくれりゃぁすぐだったのに」
色部「なんだ?その『タイガースアイ』ってのは」
綾子「あー……色部さん、説明すんの面倒くさいから手っ取り早くこれ、読みなさい。
(と第五章しおり付き9巻をおもむろに差し出す)
高耶「……っておい!晴家!んなもん見せんでいい!むしろ何故携帯しているんだ!」
綾子「いや、ここ来る途中電車の中で読んできたもんで」
(←隣の人に見られなかったか?(笑))
色部「なになに?『大人の本気を…』」
高耶「うああ勝長殿読むなぁぁーっ!ってーか朗読するなあああぁぁぁーっ!」
千秋「おまえ……今更抵抗したって全国ミラージュファンにはもう既に舐めるよーに夜ごと昼ごと繰り返し読み返されてんだぜ
(笑)
高耶「それを言うなああぁぁーーっっ!
(半泣)
色部「ふむふむ。 『あなたのサイズは指で転がすのにちょうどいい。でも右の××は……』……っておい直江。コバルトで伏字はいかんだろ伏字は。『ティーンのための小説誌』の名が泣くぞ」
(←もはや動じない
直江「あの頃は私も若かったもので……
(笑)
綾子「とか言いながら年々グレードアップしてんじゃないの」
千秋「しかも最近じゃ伏せもしねぇし」
高耶「こんな破廉恥狂犬放送コード野郎コバルト追放だ!」
直江「ふっ。コバルトの歴史を変えた男と呼んでください」
千秋「ついでに言うと、今のコバルトのキャッチコピーは『恋気分いっぱいの夢♥小説誌』だ」
綾子「さらに道をはずしている気がするのは私だけ……?」
色部「この主従を少女小説の王道・コバルト文庫でやろうって時点で既に間違ってるんだ」
直江「残念でしたね。コバルトじゃなかったら、もっと色んなことも読者の皆さんにお見せできたでしょうに」
高耶「見せんでいい……」
綾子「……ともかく、こいつらが第五章で少女小説にあるまじきミラージュ屈指のドギツイ名シーンをヤりまくってくれたおかげで、せっかくのあたし主演の印象が凄まじく薄くなってしまったっていうわけなのよ……」
高耶「言っておくけどまだヤってねーからな」
綾子「んなこと念押ししなくても、ミラージュファンで知らない奴はモグリよ
(キッパリ)
千秋「……しかしアレだな。こいつらに押されて影薄くなるなんざ、まだまだおまえも修行が足りねぇよ」
綾子「
(ムッ)なによ。あんただったら大丈夫だって言うの?」
千秋「あったりきよー。おまえ誰に向かってモノ言ってると思ってんだよ。全国のお嬢様方のアイドル・千秋修平様だぜ?俺様があいつらの多少のイチャつきで薄れるわけねーだろぉ?」
綾子「……なぁーに言ってんだか。それじゃあこの前のアレは何なのよ。コバルトの紹介文通りにあんたメインで普通にラブストーリーするのかと思いきや、あんた最初っから最後まで『直江がどーした景虎がどーした俺はあいつらとは違って云々』って……、所詮あんたってヤツは三国一のお人好しと並んでミラージュ一の直高ヤロ…」
千秋「スミマセンスミマセン晴家さん俺が間違ってましたからその先はどうぞ言わないでくださいお願いしますっ」
綾子「わかればよろしい」
色部「長秀……おまえ最近晴家に押されてるぞ」
千秋「ほっといてくれ……」
高耶「ところで今回のOVAは、原作の内容が忠実に再現されるのか?」
直江「そうですねぇ、TVシリーズはやはり色々と制限があってカットされたシーンも多くありましたが、今回はミラージュを好きな人のみが見るOVAですからね。少なくとも前回よりはファンの要望に添う内容になるんじゃないでしょうか」
綾子「ま、心配せずとも間違いなく『タイガースアイ』ははしょられないでしょ。いやむしろ読者がはしょらせないわよ」
高耶「はしょっていいいい、んなもん。オレが許す」
色部「だが伏字はどうするんだろうな」
千秋「そりゃ、ドラマCD時みたいに直江の声がだんだん小さくなってゴニョゴニョ言い出してさ、そこをBGMで被せて視聴者が音量MAXにした所で景虎がキレて《力》が大音量で爆発して、視聴者の鼓膜も爆発チュッドーン……ってな。ミラージュ読者の誰もが一度はやることだぜ
(笑)
高耶「……オレはんなことより、9巻に出てきたサブキャラがどんな風になるのかが楽しみだな」
綾子「そうよね!あたし慎太郎さんがどんな風になるのかがもう楽しみで楽しみで♪慎太郎さんは突出して美形ってわけじゃないんだけどね、こう、優しい人柄がにじみでるような容貌でねっ」
千秋「んなことよりおまえ、『お蔦』の心配した方がいいんじゃねぇか〜?」
綾子「何言ってんの、心配せずともあたしは二百年前から美しかったわよっ。美貌の流しの三味線弾きよ!」
色部「確かに、晴家の宿体はいつも美人ばかりだったなぁ。よくまぁ見つけてきたもんだ」
高耶「晴家の和服姿か……懐かしいな。やっぱ日本髪だよな」
直江「懐かしいですけど……何しろ初めて女に換生した頃ですからねぇ。中はほぼ男ですよ」
千秋「慎太郎もこんな男女のどこに……」
綾子「何か言った?
(ギロッ)
千秋「いーえなんでも」
高耶「そういえば二百年前のエピソードにはオレも出てるんだよな。着流し姿で」
直江「ひょっとしたら夜叉衆全員登場するかもしれませんね」
色部「とすると私にも出番が……!?
(ドキドキ)
千秋「ん。花のお江戸で五人揃って怨霊調伏っつーのも悪くねーな。ワンカットでもいいからさ」
高耶「だとしたら直江はやっぱ月代だな」
綾子「月代でしょ」
色部「月代だ」
直江「…………なぜそんな口を揃えて……」
高耶「なんだ直江。月代は昔は武士なら普通にやっていた髪型だぞ?」
直江「しかしそうは言いましても、昨今の若い女性達の嗜好を考慮しますと、やはりファンのためにもそれはできれば回避した方が良いのではないかと……」
綾子「なによその政治家みたいな持って回った言いまわしは。あんた仮にも坊主でしょ。少し剃るぐらいどってことないわよっ」
直江「悪いが俺はもう坊主じゃなくて神官になったんだ。
(←そういう問題か)……だいたい景虎様の方はどうなる」
千秋「そりゃ景虎は違うって。だってホラ、こいつ、受けだし」
直江「……!……そうだな」
綾子「少なくとも前髪は残るわね
(笑)
色部「実に単純明快にして納得のいく理由だな」
高耶「……納得するな
(怒)
千秋「ま、役割から言っておまえは武士だし。俺はンなかたっ苦しい職は生前だけでごめんだし」
高耶「だいたい直江、そんなに心配せずともオレは大丈夫だと思うな。読者もそんなに嫌がらないと思うぞ?だって、月代姿でもおまえ……その…………
かっこよかったし
直江「月代OKです
綾子「……わかりやすいヤツだこと。ところで話は戻るけど、9巻は他にもサブキャラはたくさんいたわよね。軒猿たちも確か初登場だったし」
色部「私を差し置いて八海が出るのか……
(嫉)

高耶「……。ということは、あのボディコン軒猿も出るのか……

綾子「あーあー、あんたがジェラシー焼きまくってたあの軒猿?」
千秋「しかもその軒猿、あとで僻地に左遷されてたな」
(←アラスカか?(笑))
高耶「オレはああいうケバくて露出度高くていかにも日夜男を変えて遊んでそうな女が大っ嫌いなんだよッ。……誰れかさんと違ってな……(ギロリッ)


直江「た、高耶さん。邪眼で睨むのはやめてください……

千秋「だから痴話喧嘩はよそでやれって」
色部「しかし今時ボディコンは少し古くないか……?」
綾子「少しってか大分ね……。う〜ん、そうねぇ。いっそあたしが29巻『無間浄土』で着てたようなのはどうかしら?」
千秋「マイクロミニに厚底ブーツのバービーメイクってか〜?おめーもよくまぁ恥ずかしげもなくあーゆー格好が出来んよなぁ〜」
綾子「何よ!いいのよ変装なんだからっ。景虎だって茶髪に古着だったし直江だってTシャツだったじゃないっ!」
直江「どういう理屈だそれは」
高耶「ま、……後は一向宗とか……?まぁあんなヤツらはどーでもいいよな」
綾子「あ、あと忘れちゃならないのがアレでしょ。直江の友人とハザマ製菓社長!」
高耶「そうか……そう言えばおまえ、9巻じゃあオレ以外の人間の部下になって、オレ以外の人間の下で秘書として働いて、あまつさえその優秀さを見込まれて引き抜きにあってたりしたんだよなぁ〜」
直江「た、高耶さん?」
高耶「そのうえ女子社員にはいい顔してキャーキャー言われるし……しかもあろうことか、おまえあの時オレとあの社長の上に立つ者としての器量を、えらそうに比較したりもしていたよなぁ。そ・う・


い・え・ば

直江「こ、言葉の節々にトゲが……」
高耶「オレ…………やっぱ出演すんのやめる」
直江「ここまできてそういうこと言いますかっ」
色部「男の嫉妬は醜いぞ。景虎殿」
綾子「そりゃあ……あれだけ酷いことばっか言われ続ければ直江も嫌味の一つも言いたくなるでしょうよ」
千秋「不能とかなぁ……」
直江「ちょっと待て。不能じゃないっ、無能だ!
(←自分で言ってて悲しい…)
高耶「いいじゃねぇか別に。結局不能になるんだし」
直江「高耶さん……
(泣)
綾子「景虎って、『タイガースアイ』の一連シーンより直江が秘書やってたことの方がよっぽど根に持ってたのね……」
千秋「そりゃそうだな。あんな伏字の一つや二つ、20巻以降になりゃもう、言われ慣れすぎて既に免疫できちまってんだろ。ってかむしろ最近言われて喜んガフッ
(”>_<)○)’з’)ブゥ!
綾子「うわっ、グロッキー」
色部「これは死んだな」
高耶「すまない千秋ファンの人達。彼は帰らぬ人とな…」
千秋「ってなってねーッなってねーッ!」
高耶「なんだ生きてたか……」
千秋「残念そうに言うんじゃねぇーッ!
(半泣)
綾子「それにしても良かったわね直江。『みなぎわ』だけで景虎がコレじゃあ、『わだつみの楊貴妃』なんてやったらあんた命ないわよ」
直江「何故だ……?」
綾子「忘れたの?あんた10巻冒頭でジバンシィ……」


高耶「な・ん・だ・って?

直江「あ、あの……」
高耶「おまえ……オレに思いださせてはならないことを思い出させてしまったようだな……」


直江「た、たか……

高耶「……たとえこの先『わだつみ』がOVA化することがあろうとも、直江が他のチャラチャラした女と
絡むシーンなんざ絶対にカットしてやる。主役の権限で断固阻止するからな……(ギロリッ)
綾子「あちゃー、虎の尾ふんじゃった……」
色部「妄執だな……」
千秋「くわばらくわばら……」
(←原作者様のことではない(笑))
直江「だ、大丈夫ですよ高耶さん。私の心はあの頃から、あなた一人だけに向かっていたんですから……」
高耶「どうだかな。おまえなんてどうせ口ばっかだし……」
直江「どうしたら信じていただけるんですか……っ」
高耶「それじゃあおまえ、『みなぎわ』収録ん時、女社員にいい顔するんじゃねーぞ」
直江「わ、わかりました……」
高耶「あと奥村ともあんまひっつくなよ」
直江「え……あ、はい。努力します……」
高耶「よし。その約束が果たせたなら、その時こそおまえに抱かれてやる!」
直江「……
うーん。喜んでいいのかどうか……
千秋「結局最後はノロケなんだな……」
綾子「しょうがないでしょ。夜叉衆の核に直×高ありよ」
色部「四百年経っても変わらぬ鉄則だな」
高耶「ま、なんにせよ色々と楽しみではあるよな。サウンドは前回と同じものなのかとか」
直江「オープニングやエンディングもどうなるのか、楽しみですしね」
千秋「あんま楽しめるエンディングじゃなさそうだけどな……」
綾子「なによ。あたしの屈指の見せ場シーンが気に入らないって言うの?」
千秋「ちゃうちゃう、おまえと景虎のシーンは別に文句はねぇけどさぁ。TVシリーズと同じくこのお二人さんがめっちゃくちゃ険悪なまんまで終わるじゃねーか。やっぱ視聴者がラストに求めるもんは違うだろ」
色部「ハッピーエンドか……」
綾子「しかもラーブラーブゲロ甘バカップルのね」
直江「そうしたいのは山々だが、まさか原作を変えるわけにもいかんだろう」
高耶「ここで最悪に険悪な関係に陥ってしまうからこそ、そのあとの『わだつみ・中編』での怒濤のような感動があるんだからな」
色部「やはり『わだつみの楊貴妃』もOVA化するべきだな」
綾子「でないと直江が浮かばれないままだものねぇ……」
千秋「俺らも、こいつらが辛気臭い状態でいるよりは、ラブラブバカップルでいた方がまだ気が楽だもんなぁ」
高耶「どっちにしろ、……直江は死ぬんだけどな……」
直江「そうですね……私も『わだつみ』がOVA化して、あなたが私に想いをぶつけてくれるあのミラージュ屈指の名シーンを見られるのは嬉しいですけど、結局最後は“あんな”ラストですからねぇ……」
綾子「あまりの悲惨な結末に、視聴者まで発狂するわね」
千秋「結局ミラージュは何の巻やってもラストが死ぬほど悲惨なんだよ。今までに一つとしてハッピーエンドで終わったエピソードがあったかぁ?」
色部「1巻から5巻ぐらいまでは『ほのぼの』で終わったようじゃないか」
綾子「確かにそうだけど……はっきり言って初期のあたりのほのぼのラストは直江が滅茶苦茶嘘くさかったわね
(爆)
直江「失礼なことを言うな。……まぁ、確かにあの頃の自分は今思い返してみても、あまり自分らしくはなかったような気もしなくもないが……」
千秋「そそ。おまえはぐーるぐる回ってなきゃ直江じゃないんだって。ぐるぐるしなくなっちまったら読者も嘆くぜ〜。景虎も泣くぜ〜」
高耶「べ、別に……オレは松本で初めて会った頃の、なんか余裕ぶってて分別くさいいかにもハーレクイン小説の相手役に出てきそうな直江でも…………
(考え中)…………いや、やっぱちょっと……かなり物足りねぇな……」
直江「あなたそんな風に私を見てたんですかっ」
色部「嘘くさいにもほどがあるな
(笑)
綾子「……まぁでも確かに、まだまだノーマルだった5巻以降は、5.5巻といい『覇者魔』といい『みなぎわ』といい『わだつみ』といい、素晴らしい終わり方だったとは口が裂けても言えないわよねぇ……特に12巻」
千秋「俺なんかもう、5巻のあの溝落ちラスト読み返すたびに涙出そうになるぜ……
(懐)
高耶「うわっ、懐かしすぎ」
綾子「第二部以降も、『黄泉への風穴』もあんなんだし『火輪』なんて問題外だし、20巻は途中までは素晴らしいけどラストなんて発狂ものだし『怨讐の門』なんてもう“ここまでやるかっ!?”って感じだし。……ホンットにロクな終わり方したシリーズが無いわ……」
千秋「残すはあとファイナルステージのみだぞ……」
色部「いや……しかし、今までが最悪だったからこそ最後は……という希望だって、
無くは……
綾子「そんな尻つぼみに言わないでよ……哀しくなるわ……
(泣)
直江「おまえ達、忘れているようだがミラージュはコバルト文庫なんだぞ?少女小説の王道なんだぞ?中高生の女の子が読む本なんだぞ?少女小説で『そして誰もいなくなった…』なんていう終幕が許されると思うか?まず編集部が許さないぞ」
高耶「甘いな。もはや『少女小説だから』という言葉は少なくとも『炎の蜃気楼』において何の免罪符にならない。そんなこと四百年前からとっくにわかっていただろうに……」
色部「だいたい直江。おまえにだけは言われたくないぞ、その台詞
千秋「ホント1ミクロンたりとも説得力がねぇよ……」
綾子「誰が言っても無いとは思うけど」
直江「……
いや、まぁそれはともかくとして、絶対私が、そんな悲惨な終わりにならぬようにします。間違いなく、あなただけは私が護ってみせますから(←優しく微笑んで)
高耶「なおえ……」
(二人見つめ合う)
綾子「……あたしたちのことはどうでもいいのかしら」
千秋「聞くだけ野暮だぜ」
色部「そんなに悲観的になるな……まぁ……無理もないが」
直江「誰もそんなこと言ってないだろうに」
千秋「……てめぇ、マジで今まで39巻分の自分の言動を顧みてみてやがれッ!
(←マジギレ)
高耶「けど、実際の所オレも、オレたち皆が無事で、最後を迎えられればいいなって思ってるよ」
色部「夜叉衆みんなで、な」
千秋「まぁな……。なんだかんだ言って、四百年の付き合いだしな」
綾子「あたし達、もう家族みたいなもんだものね」
直江「まだ希望は残されているさ。八尺瓊曲玉のこともあるし、弥勒の問題も残っている。何より……高坂の謎がまだ全ては明かされないままだ」
千秋「高坂か……あいつ前から絶対何かあるとは思ってたが、1巻から引っぱってまさか最後の最後に正体明かしてくるとはなぁ。俺ぁもうとっくに時効かと思ってたぜ」
綾子「まぁ5巻から引っぱって、20巻で明かされた美奈子の台詞の例もあるしね」
色部「千二百年前というと……やはりあの人物とか。いずれにせよミラージュキャラ中最高齢決定だなぁ。よりにもよってあの高坂が
(笑)
綾子「高坂が何者にせよ、あいつが最後の鍵の一端を握っていることだけは間違い無さそうね。どんな形でかは分からないけど」
千秋「どーやらそれは、直江にもな」
直江「あいつが俺を数百年間散々つけ回してくれた本当の理由か。知りたい気もするが、知りたくないような気もするな……」
高耶「……なんかムカつくな」
千秋「なんだ景虎。オメデタか?」
高耶「なっ!てっ、てめ……ッ!!
(顔面真っ赤)
綾子「馬鹿なのあんたっ?違うでしょーに!景虎は自分の知らない直江のことを高坂が知ってるようだから妬いてるのよ!」
高耶「は〜る〜い〜え〜っ!!
(怒)
千秋「うわっ、相変わらずオトメだねぇ景虎」
色部「しかも無自覚」
直江「そんな所がまた好きなんですけど」
高耶「…………!!!
(言葉が出ない)……もういい。座談会もそろそろ終幕だ。最後にきたる最終巻を前にして、それぞれ何か読者に向けて一言コメントを言うぞ」
千秋「コメント〜?んだよそりゃ、いまさらこっぱずかしぃ」
色部「いいじゃないか最後ぐらい。今までミラージュ読者の皆さんにはさんざん応援してきてもらったんだからな」
綾子「そうね。いっつも直江に語らせてるだけじゃ駄目よね
(笑)
千秋「んじゃ、トップバッターは俺から行くかな。今まで13年間、通算39巻分付き合ってくれてありがとうな、ファンの女の子たち。後残すところ1冊。区切りよく40巻目。400年生き抜いてきたのは伊達じゃねーってこと証明してやるから、応援していてくれよ。もちろん俺は死ぬつもりはねぇし、……ここまで来たんだ。どうせだから最後まで見届けてやろうじゃねーか、あいつらのことをな。宿体は浪本幸平になっても、最後まで俺はイイオトコ千秋だからヨロシクな!」
綾子「あんたは死ぬまでイイヒト千秋でしょ」
千秋「だからそれを言うなっつの!」
綾子「あんた最後まで素直じゃないのねぇ。……まぁいいわ、次、門脇綾子行きます。25年の歳月を生きた宿体も死に、とうとう霊体となりましたが私はまだ健在です。魂には依然として魔王の種が植えられたままだけれど、これ以上奴にはつけ込ませない。この雪辱は必ず晴らしてみせる。……慎太郎さんのことを忘れたわけじゃないけど、今はただ、私たちが生き続けてきたこの世界のために、そして景虎達のために全力で戦い抜きます。みんな、見ていてね」
千秋「おまえ39巻のあのシーンで既に浄化してたらどうすんだ」
綾子「長秀……
それだけは言っちゃぁいけない約束よ?(ギロリッ)(←マジに)

色部「……そ、それじゃあ次は私だな。私は本編では夜叉衆の中で一番皆さんの馴染みの浅い

人間だろうと思う。しかしたとえ肉体は遠くに在っても、心は常に他の者たちと共に駆けてきたつもりだ。いままですれ違いも多く、まだまだ互いのわだかまりが完全に払拭されたわけでもない。……それでも最後に戦場を共にするのはこの者たち以外にはいないと、今はそう思う。400年の絆の強さを、今こそあの宿敵・織田に見せる時だ。どうか武運を祈っていてほしい」
綾子「次、直江ね」
千秋「言っとくけど回るなよ。自分の世界入るなよ。ここが公衆の面前だってこと絶対忘れるなよ」
直江「言われなくても分かってるっ」
色部「残念ながらおまえの言うことは全然信用できんのだよ……」
直江「…………
(そこまで言わなくても……)
高耶「いいからホラ、遠慮せずにおまえの言いたいことを言えって」
直江「……それでは手短に。ついにこの時がやってきました。何度も何度も夢に見てはうなされ、絶望した、この終わりの瞬間が。もはや逃げることはできない。逃げようとも思わない。ただ俺は最後まで己が持てるすべての力を出し切り、未来を掴み取るだけだ。……あの時目にした未来ではなく、別の未来を、光射す未来を、微笑み合うことができる明日を。そのために伊勢を護る、神宮の衛士─もりびととして。そしてあの人を護り、最後の瞬間まで共に歩み続けてみせる。どんなに醜くても、ボロボロになって倒れようとも、俺達の姿をどうか見届けていてほしい。そして覚えていてほしい。……これから始まるフィナーレを、俺が四百年間あの人に向け続けてきたすべての想いの……総決算にしようと思う」
綾子「はぁ、さすがはミラージュの語り役。よくまぁああいう台詞が出てくるもんね」
千秋「伊達にあの景虎四百年かけて口説き落としちゃいねーって」
高耶「バ、バカなこと言ってんなよ。
(赤面)……ま、これで全員言ったな。それじゃあ今回の座談会を終わ……」
千秋「ちょい待てよ景虎。そーいう自分は言ってねーじゃねーか」
高耶「オレはいいんだよ。オレからのメッセージは、最終巻の中で全部伝えようと思うから。仰木高耶が最後に生み出す答えが何なのかを知るのは、炎の蜃気楼40巻・最終章のラストページで……『完』の一文字を目にした時だ」
(←想像したくもない……(泣))
綾子「それがいいわね。読者の誰もが、……いいえ、あたし達全員が、あんた達二人がこれから歩む道程の幸福を祈ってるわ。ね、長秀」
千秋「……………………さぁな」
(←そっぽ向いて)
色部「その瞬間を楽しみにしてる」
直江「私も、信じていますよ」
高耶「……うん」
千秋「……んじゃ、そろそろホントにお開きにすっか」
綾子「長々と本当にお疲れ様」
高耶「それじゃあ最後に、五人で歌を歌ってお別れにしようか」
色部「……歌?歌って、何の歌を」
千秋「まさか『Blaze』とか」
綾子「まさか『氷結』とか?」
直江「何言ってるんだ。今歌う歌と言ったら、……アレしかないだろう」
千秋「あ、アレね……」
綾子「アレだわね……」
色部「まさに、だな……」
高耶「それじゃ行くぞ。いち、にの、さん、はいっ」
夜叉衆「「「「「どぉーんなぁーに困難でぇー♪くーじーけーそーおーでーもぉー♪しーんーじーるーこーとーさぁー♪かーなーらーずー
最後に愛は勝つ──ッ!!!」」」」」

高耶「それじゃあみんな、来春の最終巻で会おう!」
直江「桜の咲く、その時まで……」

                            
END!!
       











どこがシリアシィなんだとか、どこが夜叉衆『+α』なんだとかいう
ツッコミは銀河の彼方に置いておいて、
以上、無駄に長いミラキャラ座談会パート2でした〜。
この座談会は39巻発売直後から「真紅の旗〜」発売日数日後ぐらいまでにチョコチョコと書き綴っていったシロモノで、
なんと、大学入試開始5日前のここに来てアップ。
とんでもねーチャレンジャーだ。納多直刃。
それだけミラージュへの愛が深いということなのか……!
それともただのバカなのか……!(多分両方)

内容の方、
とにかく夢うつつな状態で書いたモノなので、ちょっと間違ったトコもあるかもしれません。確認してる暇もないですし。
気付いたら後でコッソリ直しますから、見逃してくださいね〜。
あと、色部さんを書くのが密かに楽しかったですv
そしたら何故か色部さん、ナイスなタイミングにキツイことをスラリと言い放つ胃痛持ちのしかも出番が少ないことに少なからぬコンプレックスを醸しだすというワンダフォーなキャラになってしまった(笑)。
流石に夜叉衆の一員。一筋縄にはいかぬお方だ……。
対比的に何故か一番直江の台詞が少ない!?
何故!?つまり納多は直江をギャグにするのが苦手なのだ!
直江を出すとどうしても愛が込もって原作調のかっちょいい〜直江♥になってしまうのだ!指が勝手に動くのだ!自動書記か!
そしてやめられない止まらない〜♪のが千秋&綾子ペア!
この二人は直高二人組の次に大好きなのです。
直高に絡ませたらもう天下一!
更に色部さんという絶妙なエッセンスを加えれば
三重奏の至高のハーモニーを奏でだす!!(笑)
とにかく今回の高耶さんは四人にいじくられて
なんだか非常に可愛らしい。
ダイレクトな可愛らしさではなく、わびさびな可愛らしさなのだ。
普段キリッとした仰木隊長が直江が関与する時だけ一瞬ふにゃっとなって「なおえ…っ」とかなるのがたまらないのだ。
ああ、やっぱ夜叉衆と一緒にいるときの高耶さんって、
いいなぁ……。
赤鯨衆の中の直高も、秘密めいた所がまた
くはーったまんねーッて感じなのだけど……。

どうやら納多氏、相当ミラージュについて語りたいらしい(笑)。
欲求不満なんだな。あと一月の辛抱だ。ガンバレ。
そしたらすぐに最終巻発売だ。
………………。
いやだああああああッッッ!!!!!
ああ、入試は早く終わってほしい。
でも最終巻は見たくない。究極のジレンマ。
まだ見たくない。せめて後半年待ってくれ!
春なんていう忙しい時期に出すなんて鬼畜すぎるっ!
ああああっ、炎の蜃気楼40巻最終ページ
『完』
の文字なんて一生見たくないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーッッッッ!!!!!!!

……泣いていたって始まらない。今はただ試験を終わらすのみだ。
そしてその後はミラージュ三昧の日々を送るのだ!
抑圧された欲求をすべて解き放て!
そして最終巻と共に散れ!!!(死)
私は最後に愛が勝つことを、
最終ページ『完』を目にするまで信じておりますので!
今はただ、来春への恐怖を胸に、試験に取り組みたいと思います。
それでは!

2004/1/29
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