内田春菊「ヘンなくだもの」

実業之日本社・マンサンコミックス
1986年(「週刊漫画サンデ−」85年2月〜12月連載)


 日常身辺に経験する女の感情、対男性とのやりとりを、ちょっと
エッチな感覚、大胆な女性的発想を綴ったもの。
例えば、ボ−イフレンドに自分の女友達を紹介して、「どう、彼女と寝
てみたい?」と男の潜在意識(本音)を平気で露出させ、女友達にも全く
同じことをやって、楽しむ女。そうした性心理の本音の部分を明け透けに
描くところに、この作者の特徴がある。ただ、女の裸を女が描くという売
りも、もう飽きたという印象は拭えない。


内田春菊「幻想の普通少女」

双葉社・ACTION COMICS(1987年5月刊)


 高校生、山下紗由里とデイスコで知り合った戸山曜児とはセックスフ
レンド。妊娠して堕胎するまでの友人関係。
 じめじめしたところがなく、アッケラカンとしたセックス。女性同士の言
葉使い、

「なんだよ、いいだろ、ほっとけよバカ」といった男言葉に特徴あり。

 巻末に、岸田秀との対談収録。



内田春菊「水物語」

光文社・KOBUNSYA COMICS、1988年8月

 妻子持ちの中年サラリ−マンとクラブ勤めの18歳の女の不倫関係。
男の身勝手が次第に暴かれていく過程が美事。難点は、登場する女性の
描き方が、皆同じで、区別できないこと。拡大描写は、まあまあだが、
縮小場面が、幼稚。


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