新聞記事より


マンガ・アニメを世界に誇る文化として評価しよう!

沼津朝日、2008年3月8日掲載


書店のマンガ売場で(マドリード)


マンガあるいはMANGAは今や世界語であり、日本の代表的な文化として世界に広がっている。
ヨーロッパの若者たちが今やマンガとアニメを通して日本を知り、日本文化に興味と親しみを持つ
ようになっている。麻生太郎元外相がマンガを日本外交に有効活用しようとして、「国際漫画賞」を
創設したのは、決して物好きの発想ではないのである。日本はもっともっとマンガ・アニメを日本文
化を情報発信するために活用すべきなのである。
   しかしそのためには、日本人自身がマンガ・アニメを正当に文化・文芸として認識・評価すべきで
あり、さらに優れたマンガ作家を育成し、多くの良質のマンガ・アニメ作品を生み出す必要がある。
というのも、日本においてもまだまだマンガ・アニメが文芸や映画などに比べて価値の低いものだ
という偏見ないし先入観を持っている人は多いからだ。それは、例えば駅のゴミ箱に投げ捨てられた
スポーツ新聞や芸能週刊誌などのマンガを見て、マンガを低俗な、あるいはつまらないものだと思い
込んでいるからかも知れない。確かに眉を顰めたくなるようなマンガもあるが、それは何のジャンル
でも同じことであって、小説や映画だってピンからキリまであるのは当たり前のことである。マンガ
だって良いものは良いに決まっている。中には、小説や映画以上に感動を呼ぶ、マンガだからこそ表
現できる優れた作品も多くあるのである。ここ十数年特にマンガからテレビドラマになったり、実写
の映画になったり、アニメになったりする例が非常に多いのはその証拠である。良いマンガ作品なし
には、テレビドラマも映画もアニメもキャラクター商品やゲームの世界も困るのである。まだまだ残
るマンガに対する偏見や先入観を排し、正当な認識と評価が求められる所以である。
ようやく一部の大学でマンガ学部やマンガ学科が開設され始めているが、マンガ文化の本家本元の
日本としては心許ない限りである。文学部の中に、あるいは日本文学科の中にマンガ教育が普通のこ
ととして行われることが望まれる。そこで、マンガ・アニメ研究が行われ、マンガ家・アニメ作家を
養成する教育が積極的に進められる必要がある。我が研究室にも、毎年マンガ家志望の学生たちが数
人入ってくる。四年間ですぐに一人前のプロのマンガになるのは至難のことであるが、しかし将来我
が研究室で学んだマンガ家が誕生することを期待しているし、間違いなく現れるはずである。
 


E-mai:moon@wing.ncc.u-tokai.ac.jp


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