kon.5  エドワード・エルガー「愛の挨拶(あいさつ)
                             
Edward Elgar「Salut d'Amour」


エルガーは、近代イギリスの有名な作曲家。今では「威風堂々」など、人気曲はいろいろあるが、作曲家として名が知られるようになったのは、

30歳をすぎてから、という大器晩成タイプ。

そんな無名時代のエルガーの才能を見抜き、エルガーの支えになったのはエルガーの妻、
キャロリン(キャロライン、カロリン等とも表記)・アリス・

ロバーツ
であった。

キャロラインは、エルガーがピアノを教えていた生徒の一人であった。

1890年、娘のキャリスが生まれた年に、この「愛の挨拶」はかかれました。エルガーは、この曲に、妻のキャロラインに対しての愛と感謝の気持ちを

込め、愛する人への贈り物としました。エルガーは大変な愛妻家だったんですね。他にも妻のために書かれた曲はあるようですが、「愛の挨拶」が

一番有名で、世界中で愛されています。

元々はピアノ曲でしたが、翌年には小管弦楽用に編曲もしている。

今では、ピアノ+ヴァイオリンとか、フルートとか、色々な形に編曲されて演奏される。この曲も、演奏会などでも人気の曲です。



これも、ヴァイオリンが弾けたら絶対練習してマスターしたい曲。本当に素敵なメロディで、涙が出てくるほど。


かつて、「ハルモニア」というドラマで、中谷美紀演じるチェロ奏者が、この曲を弾いていたのを、わたしは覚えている。


エルガーについて

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857年6月2日〜1934年2月23日


イギリスの作曲家。

エルガーの父は楽器店の経営と、ローマ・カトリック教会のオルガン奏者を兼業していた。又、調律師や音楽教室の教師をするなど、幅広く音楽に携わっていた。

幼い頃のエルガーは、この父にピアノを習った。それを基にしてエルガーは独学で他の様々な楽器を弾き、父の店にある音楽関係の本を読み漁った。

音楽学校に留学したかったエルガーだったが、家にはその経済力が無く断念する。店の手伝いをしながら一人で勉強を続けた。

後にロンドンに出て、ヴァイオリン教師についてヴァイオリニストを目指したこともあったが、うまく行かずに地元にもどって、地方でヴァイオリンを弾いていた。

このころから作曲にも励んでいる。

89年、32歳の時に、8歳年上の
キャロライン・アリス・ロバーツと、周囲の反対を押し切って結婚。キャロラインは、まだ無名だったエルガーの才能を信じて支えた。

99年、41歳の時に
「エニグマ(謎)変奏曲」で、ようやくエルガーの名は知られることになる。その後は、ヨーロッパ大陸にも名は広まり、人気作曲家となる。

行進曲「威風堂々」第1番のトリオ部のメロディが、当時の国王に気に入られ、この旋律に歌詞を付けて書いた曲(及び、威風堂々第1番)は、第2のイギリス国歌と

言われるほど、イギリスで今でも人気のある曲である。

47歳の時に、ナイトに叙され、後にはバロネット(准男爵)に叙された。