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絵本と子どもが出会ったら

 

平成18年度「おはなしえほん」の講座(3)

講師:徳永満理先生(おさなご保育園園長)
日時:平成19年1月20日(土)14:00〜16:00
会場:三島市民文化会館・大会議室

はじめましてのごあいさつ

講義は、絵本『はじめまして』(新沢としひこ/すずき出版)の読み聞かせからスタート。最後に、徳永先生ご自身も絵本の文章に合わせて自己紹介。研修室全体を包み込むような温かい笑顔と柔らかいイントネーションに、私達はたちまち惹き込まれていきました。

子どものつぶやきに耳を傾ける

会員にはおなじみの『おっぱい』(宮西達也/すずき出版)の読み聞かせなどを交え、「読み聞かせは心のキャッチボールですよ」と、読み手も充分に楽しむことの大切さを強調。それに併せて、発達の旬を見極めて適切に働きかける手段として活用することの大切さをお話いただきました。

英語の早期教育よりも、まず美しい日本語を

保育園園長という立場から、絵本の読み聞かせについて話していただきました。 「絵本は、文と絵で構成された総合芸術であり、乳幼児の知的欲求を育む『文学への入り口』です」「読み聞かせというコミュニケーションを通じて愛情と『良い言葉』を蓄積するんです」「英語の早期教育よりも、まずは美しい日本語を」と保育に携わる者にとって忘れてはならない大切な考えを聞かせていただきました。

子ども達の想像力を刺激する場面を、より多く

続いて絵本作家として大切に考えていることを聞かせていただきました。 「言葉と絵をギリギリまで削り取っていくんです。残った言葉と絵が上手く融合したときに、子どもの心に訴えかける絵本が生まれます」 説明ではなく描写することを心がけ、子ども達が想像を膨らませることのできる場面を生み出そうと苦心されているそうです。

読み聞かせの中で言葉の発達が見える

『おててがでたよ』(林明子/福音館書店)を例に挙げ、子どもの発達にそった読み聞かせの具体例を聞かせていただきました。 一般に「赤ちゃん絵本」と思われている『おててがでたよ』ですが、様々な年齢の子ども達に読み聞かせて、その反応を観察すると、興味深い結果が得られたそうです。「おててはどこ?」と尋ねたときに、自分の手を見せて「ここ」と示す段階、絵を直接触って「ここ」と示す段階、「まだ服の中」と的確に言葉で表現できる段階と、個々の子どもの発達を反映した言動が見られることが判ったそうです。 保育の専門職として、目的意識を持った読み聞かせが必要だと再認識させられるお話でした。

保育の中に絵本の位置づけを

豊富な実体験と、読み聞かせによる追体験によって、子ども達の中に豊かなイメージ力と思考力を育むことができます。それは社会性の発達を助け、自分への信頼、人への信頼、未来への信頼を子ども達の中に育てることにも繋がるのではないでしょうか。 最後に『どんなにきみがすきだかあててごらん』(評論社)を読み聞かせる徳永先生の声から、そんなメッセージを受け取りました。


 
 

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