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運営サークル『樫の木坂四姉妹』 感想文


■舞台の幕が降りると隣席の人達が皆「素晴らしかったねー」と呟いている声が聞こえました。
55年前広島と長崎に投下された原爆に依って、それ迄何年も何百年も続いていた土地が、家が、一瞬に
して全て壊れてなくなってしまった。私達もその事実についてはある程度認識していた
つもりではあったが、樫の木坂四姉妹の様に、そこで生き残った人達がその後の人生をどう生きてこ
られたのか---、申し訳ないがほとんど知る事なく生きてきた様に思う。皆各々深い傷
を抱きながら頑張って生きなければならなかったのでしょうね。
世界で唯一の被爆国である日本は、原爆という物の恐ろしさを、もっと、もっと世界に発信してゆく
べきではないしょうか。
今回の舞台で被爆前まだ十代だった頃の姉妹を演じられた女優さんと、55年後の現在の姉妹を演じら
れた女優さんが実に違和感なく演じ分けられていて素晴らしかったです。忘れられない
作品になりました。
(やよい)

■3人の女優にプロカメラマンで劇が始まった。バックに大きな樫の木の絵が照明で光っていた。
舞台は一台のピアノが置かれた部屋だった。穏やかに見える舞台は、昭和20年米軍から長崎に
投下された原爆で変わった。一家族を通じて原爆の核の恐ろしさを訴えていた。三姉妹の中村たつさん、
岩崎加根子さん、川口敦子さんの女優に武正忠明さんのカメラマン役が絡み素晴らしい演劇だった。
長いセリフがよどみなく、はっきりとした口調で伝わり、観客は2時間半のドラマに緊迫感で引きつ
けられ、静寂の中で進行した。
私事だが観劇しながら若い頃見た永井博士の映画“長崎の瞳”を思い出していた。
核の恐ろしさを体験しなければ廃絶しない各国の政治家。劇中の“語り部 しを”のセリフにも類似
の言葉があったが、核をちらつかせてやりたい放題のアジアの隣国。核が政治の圧力、道具として使
われる限り、人類は破滅を迎えようとしていることを強く意識してもらいたいものである。この演劇の、
その主張がストレートに伝わってきました。
ピアノの伴奏で家族が合唱した歌詞を口ずさむと、今もこの劇の各場面が思い浮かびます。
(ル・フラン)

■庭先に、どこから種が飛んで来たのか、一輪のコスモスが咲く・・・・・・。「きっと兄さんよ」と言っ
て姉妹が去った後・・・・・・、コスモスに「幸雄・・・」と優しく話しかける母に、引き裂く様な爆音と閃光
がはしる---舞台での1シーンですが、この瞬間観ている私も背筋が寒くなりました。一瞬で長崎の街
を火の海と化した原爆の恐ろしさは前面に出ていませんが、“終戦”では終れない、生涯“被爆者”
という現実を背負って生きなければならなかった人々の苦しみを知らされました。四姉妹それぞれが
被爆者ですが、その中でも人一倍元気で自由奔放に振舞う ひかる が病の床で、我が子を脳性マヒで
失った時の事を喘ぐように語るのを聞き、心の傷から血の滲み出る様な思いで生きてきたのだろうと、
切なくなりました。
人々の心に訴える、素晴らしい舞台を観させていただき本当にありがとうございました。
(ミルフィーユ)

■9/24当日急用ができ、9/28富士宮市民劇場へ伺いました。久し振りのお浅間さんを散策し、楽しい
時間を過ごして劇場へと向かいました。
力強い樫の木に圧倒される中、それぞれ大きな悲しみを抱えた三姉妹。ひかる と ゆめ の喧嘩がおも
しろく笑ったりもしましたが、少女の頃の明るく屈託のない笑顔、幸せいっぱいの場面と入れ替わる都度、
ひしひしと自分の胸の中に悲しみが広がっていきました。
原爆投下のドーンと体中に響く音には身が縮みました。今でも続く被爆者の苦しみを思うと心が痛みます。
今の平和がずーと続くように!!と願わずにいられません。
(ひなげし)

■樫の木坂四姉妹は、原爆という重いテーマでしたが、中村さん、岩崎さん、川口さんの熱演で、
とてもすばらしい舞台でした。特に岩崎加根子さん。派手な衣裳が似合う陽気な振る舞いと、胸奥深く
秘めた苦悩をさらけ出す姿には、女優魂を見せつけられ、とても感動しました。
原爆は過去のものではなく、平和、原子力を身近なものとして考える為に、ひとりでも多くの人に観て
もらいたい作品です。
それから、搬入に参加させていただきましたが、劇団の方が大道具の説明(これは舞台の○○の部分に
なりますetc)をしてくださり、舞台を別の視点から見る事ができ楽しめました。劇団の方は、気さくに
接してくださるのですが、どの方も一度舞台に上がると、その役のオーラが出るのには本当にすごいな
と思いました。
(カナリア)

■広島に出かけたり、戦争の話を聞いたり、本を読んだりと、戦争のことは決して忘れてはいけないと
思ってはいます。けれど、この劇を観て、まだまだ私の知らないことは沢山あるし、戦争というのは
その時だけの苦労ではなく、継続されて人々を苦しめるものであるということを改めて思い知らされました。
長崎という異国情緒あふれる地でのびやかに育った姉妹を、それぞれの性格を上手く出され、みごとに演じ
きったベテラン女優の皆様にも感動いたしました。
今現在、東日本大震災での福島の悲劇が終息せず、次々に問題が出てくる原発事故も同様、原爆がまだ作ら
れている世界で、唯一の被爆国である日本の一家族をクローズアップしたストーリーは世界中の人に観て
いただきたいと思いました。
(すうのいえ)

■静かな語り口ながら、俳優座ならではのアンサンブルに改めて感動しました。しかし、現在から戦時中の
場面になったとき、役者の方々に、若さと老いのギャップがありすぎ、演出とはいえ、私は少々の違和感が
ありました。
理不尽な戦争は罪のない多くの人々の命を奪っていきました。私たちは今、危機感、緊張感、使命感を持っ
て平和の願いを訴え続けなければならないし、若い世代にこそこの芝居を是非観てほしいと思いました。
山崎豊子女史が亡くなりました。彼女が、いつか「自分は歴史の証言者になることだと考えた」と言って
おられたことを思い出しました。
最後に花束を受け取られた時の岩崎加根子さんのやさしい微笑みが忘れられません。
(丸啓)