No.232『兄おとうと』運営サークル 感想文
【運営担当 観劇の感想】
■右側のコーナーから優しいピアノの音が流れて演奏が開始された。“吉野作造”の名は耳にしたことはあったが、どういう人物かは知らなかった。 今回、井上ひさしの作品とあり楽しみにしていた。予想にたがわぬ内容のある演劇であった。 ドラマが進むにつれ人物像が判ってきて、兄の吉野作造の辻さんと弟の信次役の大鷹さんが役柄にぴったり合っていることで演劇に引き込まれた。
政治を扱うドラマは堅苦しくなりがちだが、ユーモア、歌(ソロ、コーラス)、ダンス(踊り)で明るく、楽しさのあるものになっていた。 加えてピアノの素晴らしい演奏が引き立たせた。大正時代に現代に通じ合う政治論を述べて活躍した人がいたことは驚きでした。 このような人がいたからこそ今の日本があると感動しました。対中国、韓国、北朝鮮の問題、国内の被災とか、他問題山積の今日、 この兄弟がいたらどういう解決策をしたのだろうか? 期待したい気持ちで観劇していました。
作造の妻役の剣幸さんのソロは特に素晴らしかった。後で宝塚月組の男役トップスターだったと聞き納得。
楽しく観劇できました。こまつ座の皆様に感謝します。ありがとうございました。
(ル・フラン)
■こんなにも難しい事を、易しく、楽しく、観させてくださるなんて、さすが井上ひさしさんの作品です。
演出もとても良かったですし、生のピアノもすばらしかったです。今の日本にも吉野作造さんのような方が いらっしゃることを願いました。心が満たされました。
(丸啓)
■とても重く深い内容のお話をとてもわかりやすく楽しく観ることができました。
私たち一人ひとりがあきらめないで「なぜ?」「どうして?」と声に出していけば・・・。
このまま進んでしまっていいの?と問いかけられたように思いました。
(はぜどん)
■国家や憲法とか難しいテーマでしたが、楽しく鑑賞できました。
軽やかなピアノに馴染みやすいテンポの良い歌、ダンスの振り付けも良かったです。
何よりも公演100回目ということで、劇団員の熱演がすばらしかったです。
三度のご飯 きちんと食べて 火の用心 元気で生きよう きっとね!!
頭にいつまでも残りました。
(Denbo)
■さすが井上ひさし! 国家とは何かという重く大きなテーマを扱いながら、決して押し付けるわけではなく、 あくまで面白く、わかりやすく、3時間の大作をつるりと飲まされてしまった印象。生演奏のピアノが心地よく、 楽しい踊りもあり、大満足でした。
“国を憂う”根っこは同じ兄弟が、徹底して対立し合う構図に今の世界を取り巻く問題が抱える難しさが重なります。 お互いが譲れない正義を掲げ、それに基いて行動しているだけなのに、なぜこうも溝が深まっていくのか・・・。 劇中で「なぜ」と問うことが政治に関わっていく第一歩だと語られていましたが、「なぜ」の次の対立は、 どうやって歩み寄っていけばいいのだろうかと考えさせられました。
(ミラクル&ベガ)