2017年の作品 過去の例会作品はこちらからご覧下さい
劇団民藝 『SOETSU』
作=長田育恵
演出=丹野郁弓
出演=日色ともゑ・篠田三郎・中地美佐子 他
美学者・柳宗悦は朝鮮白磁の美しさに魅了され、大正5年初めて朝鮮に渡った。
浅川伯教・巧兄弟や宿屋の女将・姜明珠と知り合い、宗悦は朝鮮の美にのめりこんでいく。
そして、失われてゆく民族文化のための美術館設立へ。しかし日本統治下の朝鮮では、宗悦の活動は統治政策の一環だと朝鮮人に誤解され、さらに朝鮮独立運動や関東大震災時の痛ましい事件が、人々の間に亀裂を深めていく。
様々な矛盾のなかから掴み取った一握りの確信が、やがて宗悦を日本での民藝運動の構想へと導いていく。
こまつ座 『化粧』
作=井上ひさし
演出=鵜山 仁
出演=平 淑恵
さびれた芝居小屋の淋しい楽屋。
遠くから客入れの演歌が流れ込んでくるやいなや、大衆演劇女座長・五月洋子は、座員一同に檄を飛ばし始める。
開演前の化粧支度の最中も、口上や十八番の演目である「伊三郎別れ旅」の母と子が再会する場面の稽古に余念がない。
その慌ただしい楽屋に、一人の青年が訪ねてくる。
昔泣く泣く捨てたはずの一人息子と名乗る人物。その再会をきっかけに、夢と現の二つの物語が重なり合って・・・
加藤健一事務所 『Be My Baby』
作=ケン・ラドウィッグ
演出=鵜山 仁
出演=加藤健一・阿知波悟美・加藤 忍 他
イギリス、スコットランドのクリスティの元へ、ロンドンから婚約者のグロリアがやってくる。
若い二人とは対照的にクリスティの親代わりのジョンと、グロリアの叔母のモードは犬猿の仲で、
衝突ばかり。ところがその二人が生後2週間の養子を引き取りにサンフランシスコまで行くことになってしまい……。
誰もが目を疑う笑撃の結末。
オペラシアターこんにゃく座
『まげもん-MAGAIMON-』
作=鄭 義信
演出=鄭 義信 作曲=萩 京子
出演=こんにゃく座一同
〜旅回りの一座が語る人間の娘に恋をした狸の物語〜
狸の茂平は罠にかかった自分を助けてくれた人間の娘お麻に恋をし、人の姿に化け、
江戸にやってきた。しかし、お麻は父の仇討のことで頭が一杯、姉のお絹が仇討相手
と恋仲になっている。何とか恩返しがしたい茂平は、奮闘するが……。
劇団文化座 『三婆』
作=有吉佐和子 脚本=小幡欣治
演出=西川信廣
出演=佐々木 愛・有賀ひろみ・阿部敦子 他
昭和38年、金融業の武市浩蔵はめかけ駒代の家で急死し、本妻の松子と浩蔵の妹タキが駆けつけた。
お互い「かぼちゃ婆」「電気くらげ」「キツネ」と陰口を言い合う三人の遭遇である。四十九日後、タキが兄の
家に住むのは当然と押しかけ、駒代も新橋の料亭の普清が終わるでと居座ってしまう。かくして一筋縄ではいかない三婆の同居生活が始まる……。
社会性とエンターテイメントを備えた人間喜劇。
劇団東演 『検察官』
作=N・ゴーゴリー 翻訳=佐藤史郎
演出=V・ベリャコーヴィッチ
出演=能登 剛・南保大樹・腰越夏水 他
「地方官庁の賄賂や不正を取り締まる検察官が、首都ベテルブルクよりお忍びで、重大な使命を帯びて調べ廻っている」との情報が市長の下に。行政を当たり前のように「私」にしている市長以下お役人達の面々はまさに
晴天の霹靂。てんやわんやの大騒ぎ。そこへ「街外れの安宿に若いお役人が宿泊している」とのご中進。
「間違いない、あの方は検察官だ」あの手この手のアタックが始まった。
『ハムレット』に続いてお届けする、ベリャコーヴィッチ演出の傑作喜劇。