牧 水 作 品 一 覧
牧水が出版した歌集とその他の作品を一覧表にしてまとめました。
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歌 集 |
歌集名 | 出版年 | 出版社 | 収録歌数 | 特徴 |
海の聲 | 明治41年7月 | 生命社 | 475首 | 浪漫の香り高い激しい恋愛歌。 |
獨り歌へる | 明治43年1月 | 八少女会 (名古屋) |
551首 | 浪漫的な性格を持ちながら、短歌史的には自然主義傾向へ。 |
別離 | 明治43年4月 | 東雲堂 | 1004首 | リアリスティックに生活感情のかなり美しい部面を歌おうとした試み。 やわらかで、おおらかな調子の歌が多い。 |
路上 | 明治44年9月 | 博信堂 | 483首 | 『別離』よりも更に現実感加わる。 |
死か藝術か | 明治45年9月 | 東雲堂 | 386首 | 「破調」を取り入れた作品が多く見られる。句読点が多く用いられている。変移期に入りつつあった心理のニュアンスがモチーフになっている。 |
みなかみ | 大正2年9月 | 籾山書店 | 506首 | 大胆に「破調」を用いる。口語調の歌が見られるようになる。 |
秋風の歌 | 大正3年4月 | 新声社 | 377首 | 健康を害していたためか、「生」を見つめた歌が多い。 |
砂丘 | 大正4年10月 | 博信堂 | 248首 | 三浦に転居してからの作品。生活の現実味が増す。 |
朝の歌 | 大正5年6月 | 天弦堂書房 | 273首 | 自然を多く歌っている。 |
白梅集 | 大正6年8月 | 抒情詩社 | 222首 | 喜志子との合著。心の乱れが見え隠れする。 |
さびしき樹木 | 大正7年5月 | 南光書院 | 200首 | 平明な詠風。一種の清新さと安らかさが感じられる。 |
渓谷集 | 大正7年7月 | 東雲堂 | 304首 | ほとんどが旅で詠われた歌。 |
くろ土 | 大正10年3月 | 新潮社 | 999首 | 「動的の歌」。沼津へ移住後の作品。 |
山櫻の歌 | 大正12年5月 | 新潮社 | 740首 | 「静的の歌」。 |
黒松 | 昭和13年9月 | 改造社 | 1000首 | 生前牧水が編集、『黒松』という題名も決めていたが、出版がかなわなかった。没後10年を記念して喜志子夫人と弟子の大悟法利雄氏によって出版された。 |
紀 行 文 |
紀行文題名 | 出版年 | 出版社 | 主な収録作品 |
旅とふる郷(全五編) | 大正5年6月 | 新潮社 | 山の変死人、空想者の手紙(第一編より)山より妻へ、御牧が原、山湯日記(第三編より)椿、河豚、波と蛸とヂンの酒(第四編より) 他 |
海より山より(全三編) | 大正7年7月 | 新潮社 | 浴泉記、北國紀行、南信紀行(上編より)燈台守、裾野(中編より)ダリアの花、酒と私(下編より) 他 |
比叡と熊野 | 大正8年9月 | 春陽社 | 旅日記、比叡山、山寺、おもひでの記 他 |
静かなる旅をゆきつつ (全三編) |
大正10年7月 | アルス | 富士裾野の三日、箱根と富士(上編より)上州草津、みなかみへ、吾妻川(中編より)子供の入学、香貫山(下編より) 他 |
みなかみ紀行 | 大正13年7月 | 書房 マウンテン |
みなかみ紀行、伊豆旅行、雪の天城越え 他 |
樹木とその葉(随筆集) | 大正14年2月 | 改造社 | 序文に代へてうたへる歌十首、草履の話、旅の話、四邊の山より富士を仰ぐ記、野蒜の花、枯野の旅、自己を感ずる時、貧乏首尾無し 他 |
そ の 他 |
作品名 | 出版年 | 出版社 | 主な収録作品 |
牧水歌話 | 明治45年3月 | 文華堂書房 | 和歌評釈、歌集を読む、 秀歌をおもふ心、感想断片 |
自選歌集 行人行歌 | 大正4年4月 | 植竹書院 | |
傑作選集 若山牧水集 | 大正4年4月 | 抒情詩社 | |
自選歌集 若山牧水集 | 大正5年11月 | 新潮社 | |
和歌講話 | 大正6年2月 | 天弦堂書房 | 歌話と批評と添削、和歌評釈、 私の歌の出来た時 |
わが愛誦歌 | 大正6年4月 | 東雲堂 | |
選歌集 花さける廣野 | 大正9年2月 | 聚英閣 | |
批評と添削 | 大正9年12月 | 聚英閣 | 歌についての感想、和歌評釈、 批評と添削 |
選歌集 路行く人々の歌 | 大正11年6月 | 日本評論 出版部 |
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短歌作法 | 大正11年12月 | 春陽堂 | 上編、下編 |
童謡集 小さな鶯 | 大正13年5月 | 弘文舘 | ちひさな鶯、春の雨、たんぽぽ、 蟻、ダリヤ、 他 |
自選歌集 野原の郭公 | 大正14年12月 | 改造社 |