◆吹替えについて◆
映画ファンの方の中には、「映画は映画館で、字幕で観るのが一番」とお思いの方が多いかと思います。
映画館で観る、ということはそのとおりだと思いますが、字幕に関してはそうでもないかなと。
字幕には「俳優さんの本来の声が聴ける」「長いセリフを、制限のあるなか(ちなみにセリフ1秒につき
4文字までしか使えません)どんなふうに訳すのか、意訳するのか、字幕翻訳者のセンスを見る」なんていう
楽しみ方がありますが、字幕を目で追うのに忙しく、画面に集中できない、という欠点があります。
一方吹替えだと、セリフは耳から入ってきますから画面に集中できますし、字数制限のある字幕よりも
より原語に近いニュアンスでセリフを理解することができます。
たまに「声のイメージが違う!」ということもありますが…
さて、「アラビアのロレンス」の吹替えはどんな感じなのでしょうか?
ここでは、キャストの紹介をしたいと思います。
ちなみに、DVD版です。脇役まではわかりませんが、DVDのパッケージ裏に記載されていた方について。
最初にお断りしておきます。吹替えというのは、TVの場合、まず製作会社(東北新社など)が作ってTV局に納入します。
何回分かの放送権は最初のTV局が持っていますが、契約が切れるとまた製作会社に返還され、他の局に売られたりする
そうです。吹替えのキャストをそのまま変えない場合もありますし、録音しなおす場合もあります。
また、映画とTV放送時とビデオ(今だったらDVDも)でキャストが違う場合もあったりで、
「この作品だったら吹替えはこのキャスト」という決定的なものはありません。
なので下記のリストは一例ということで、参考まで。
調べて分かった範囲で書いていますので、穴が開いていますが分かり次第追加します。
尚、この項を作成するにあたり、『吹替映画大事典』(とり・みき著、三一書房)という本を参考(リスト部分はほぼ引用)にしています。
| 役名 | 役者名 | 吹替え俳優 | 声優さんの他の主な仕事(主にTV映画での吹替え) |
| ロレンス | ピーター・オトゥール | 山寺宏一 | ジャン・クロード・ヴァン・ダム(ユニバーサル・ソルジャー)、チャーリー・シーン (処刑ライダー、ルーキー)、トム・クルーズ(レインマン、7月4日に生まれて) ロバート・レッドフォード(スティング新版)、マイケル・E・ナイト(天使とデート)、 エディ・マーフィー(ゴールデン・チャイルド、48時間)、マイケル・キートン(バット マン) |
| アリ酋長 | オマー・シャリフ | 磯部勉 | ジーン・ハックマン(ポセイドン・アドベンチャー)、スティーブ・マックイーン(ゲッタ ウェイ)、ハリソン・フォード(フランティック、逃亡者、ワーキング・ガール、刑事 ジョン・ブック/目撃者)、チャールトン・ヘストン(黒い絨毯)、ピーター・ウェラー (ロボコップ、ロボコップ2)、ユル・ブリナー(十戒)、ルトガー・ハウアー(ウェドロ ック)、ロバート・デ・ニーロ(ケープ・フィアー) |
| ファイサル王子 | アレック・ギネス | 小林尚臣 | |
| アウダ・アブ・タイ | アンソニー・クイン | 坂口芳貞 | |
| アレンビー将軍 | ジャック・ホーキンス | 瑳川哲朗 | 『大江戸捜査網』の隠密同心、井坂十蔵役(声ではなく、役者として)。 ヘンリー・フォンダ(ミスター・ロバーツ、合併結婚〜お子様パニック、ファイアー クリークの決闘、ウエスタン〜復讐の荒野に殺し屋ガンマンが群がった、ミス ター・ノーボディ)、オマー・シャリフ(最後の谷)、バート・ランカスター(大空港) 、デール・ロバートスン(カンザスシチーの大虐殺)、レナード・ニモイ(スター・ トレック) |
| ベイ司令官 | ホセ・フェラー | 中村正 | ピーター・オトゥール(おしゃれ泥棒、クリエイター)、レックス・ハリスン(マイ・ フェア・レディ、黄色いロールス・ロイス、三人の女性への招待状)、 ジョージ・サンダース(イヴの総て)、アレック・ギネス(ハバナの男)、ジャック・ クラグマン(十二人の怒れる男)、ピーター・セラーズ(博士の異常な愛情)、 ケーリー・グラント(芝生は緑) |
| ドライデン | クロード・レインズ | 永井一郎 | 洋画はわかりませんが…「波平さん」の声の方です。 |
| 記者ベントリー | アーサー・ケネディ | 池田勝 |
上記のリストに上がっている声優さんのうち、声がぱっと思い浮かぶ人はいるでしょうか?
名前だけ見て思い出せる人は、ほとんどいないと思います。でも、だれでも知っているあの番組をやった、
というような説明があればわかりますよね。ということで中村正さん。この方は
『奥様は魔女』というちょっと昔のアメリカホームドラマのナレーションをされていた方です。
有名なオープニングのナレーション、
「奥様は…魔女だったのです」
あの、上品な声の方です。しかし、「ロレンス」ではサディストのトルコの役人の声をあてているので
全然イメージ違いますね。登場シーンもそんなに多くないし、あんまり印象に残っていないなぁ。
「クリント・イーストウッドの吹替えは故・山田康雄氏」というようにこの役者にはこの声優さん、という、
「持ち俳優」のいた方もいますが、それ以外は結構ばらばらです。
「ロレンス」に出演されている俳優さんは有名な方が多いですが、「ロレンス」やロレンス以外の作品では
どんな声優さんが声をあてているのでしょうか?ということでスター別吹替えリストを。
| 役者名 | 吹替えを担当した声優、作品名 |
| ピーター・オトゥール | 井上孝雄『将軍たちの夜』『アラビアのロレンス』『ラスト・エンペラー』他 金内吉男『ブランケット城への招待』『パワー・プレイ』 中村正『おしゃれ泥棒』『クリエイター』 野沢那智『スーパーガール』 広川太一郎『何かいいことないか子猫チャン』 岸田森『アラビアのロレンス』 家弓家正『ブランケット城への招待』 |
| オマー・シャリフ | 内海賢二『イタリア式結婚』『マルコ・ポーロの大冒険』『アラビアのロレンス』(井上版) 新克利『アラビアのロレンス』(岸田版) 堀勝之祐『うたかたの恋』 瑳川哲朗『最後の谷』 加藤精三『アシャンティ』 戸浦六宏『将軍たちの夜』 山本圭『ドクトル・ジバゴ』 小林勝彦『華麗なる大泥棒』 小林修『ジャガーノート』 勝部演之『マッケンナの黄金』 西沢利明『日曜日には鼠を殺せ』 |
| アレック・ギネス | 千葉耕一『マダムと泥棒』『名探偵登場』 内田稔『アラビアのロレンス』(ピーター・オトゥールは岸田森) 大塚周夫『アラビアのロレンス』(ピーター・オトゥールは井上孝雄) 早野寿郎『戦艦ディファインアント号の反乱』 中村正『ハバナの男』 滝田裕介『スター・ウォーズ』シリーズ |
| アンソニー・クイン | 小松方正(ほとんど) 北村和夫『アラビアのロレンス』(岸田森版) 大木民夫『マルコ・ポーロの大冒険』 小林清志『ナバロンの要塞』 |
このリストを見ると、少なくともDVDを含めて3つの吹替えバージョンがあることになりますねぇ。
私はピーター・オトゥールの声が山寺宏一氏のものしか観た事が無いのですが、他のバージョンのものも
観て(聴いて)みたいです。