◆チャプター1・序曲&オープニング◆
| 時間 |
| 0:00:00〜0:06:10(6分10秒) |
| 撮影日時/場所 |
| 1962年6月24日/スペイン南東部の港町アルメリアの波止場(第2撮影班によって撮影) |
| あらすじ |
| 序曲とオープニングクレジットが流れる。映画が始まると、スクリーンには何も映らないまま、 まず序曲だけが流れる。その後、オートバイの準備をするロレンスを真上から撮った映像と クレジットが流れる。 |
| 解説 |
| 「アラビアのロレンス」は序曲で幕を開ける。序曲で幕が開く映画は50・60年代の大作映画 に多く見られる。コロムビアのロゴが出るまでの4分20秒間、画面は真っ黒のまま何も映ら ない。リーン監督はこの序曲、間奏曲(途中休憩の時に入る)、終曲が流れる間はあえて 何も映していない。完璧主義者のリーン監督は、 「スクリーンの前にあるカーテンを開くのと同時に序曲が流れ出すようにフィルムを回せ」 と映写技師に指示したという。 音楽の作曲はフランス人のモーリス・ジャール(Maurice Jarre,1924〜)だが、 彼に決まるまでにリーン監督とサム・スピーゲルは イギリス人のベンジャミン・ブリッテン(Benjamin Britten,1913-1976)、 アメリカ人のリチャード・ロジャース(Richard Rogers,1902-1979)、 ロシア人のアラム・ハチャトリアン(Aram Khachaturian,1903-1978) に作曲を依頼しようと考えていた。 しかし、ロシアのハチャトリアンは政治の都合でロシアから出られず、ブリットンは無茶な 作曲期間を要求してきたので候補から外され、リチャード・ロジャースの作曲した曲は リーン監督の感性に合わなかったということでモーリス・ジャールとなった。 |
| 脚本との違い |
| 脚本には「真上から撮影する」という指示はない。 細かい部分を挙げれば、「オートバイの背景には車庫(小屋)があり、作業台があって その台の上には野生の花が数本入れられたジャムのビンが置いてある」という内容の 指示があるのだが、画面のどこにもそういったものは見られないし、そもそもこれは普通に 撮影する場合の内容であって真上から撮影した場合には背景など入らないから、 「真上から撮る」というアイデアは現場で生まれたものだといえる。 ちなみに、オープニングのシーンは地上5,5メートルのところに組まれた足場から撮影され た。このシーンを取ったのは第二撮影班だが、そのころ他のスタッフは列車の爆破シーンを 撮っていた。 |
| 私的感想 |
| 多くの映画評で、「冒頭には砂漠の映像が来るかと思ったが、実際にでてきたのはオート バイをバックとしたタイトルだった。意表をつかれた」と評されているオープニング。私はどち らかというと、最初に最期のシーン(チャプター2)が来たほうが驚きでしたが(同じように 冒頭に最期のシーンがある映画は「市民ケーン」など、いくつかあります)、シンプルで、 良いと思っています。 ところで、DVD−ROMの情報に「このタイトルバックに流れる印象的な音楽は他の映画で 砂漠のシーンが出てくる時に使われたこともある」とあったのですが、 そんな映画あるんでしょうか?ご存知の方、いらっしゃいましたら教えていただきたいです。 |
| 補足 |
| ■イギリス人のベンジャミン・ブリッテン(Benjamin
Britten)は調査中… ■アメリカ人のリチャード・ロジャース(Richard Rogers)は映画音楽を主に作曲しているが、 有名な作品だと「サウンド・オブ・ミュージック」が挙げられる。 ■アラム・ハチャトリアン(Aram Khachaturian)は正確にはグルジア生まれのアルメニア人。 彼の音楽は民族音楽色が強いものが多い。彼の曲で有名なものを挙げろといわれたら、 バレエ音楽「ガイーヌ」の中の「剣の舞」。これは誰でも耳にしたことはあると思う。 少ないが映画音楽も手がけている。旧ソ連の国策映画「スターリングラードの戦い」(1950) シェイクスピア原作の「オテロ」(1955)など。 |
| 主な参考文献 |
以下続く。