福祉オンブズマン養成講座第4回レポート
「相談コミュニケーション技術」
日ごろ,相手の気持ちを引き出すことのむずかしさを感じて,自分本位になってはいけないと思っていました。ともすると教えてしまっている自分に気付く時があります。その点で,本講議は有意義なものとなりました。情報というものは,高い所から低い所へ流れ込むものだなと思いました。
自分が高く,つまり権威を持ち,相手の心に踏み込んで行っていれば,あるいは,その心を否定すれば,相手は心を閉ざし,話は終わってしまいます。相手の心を開くのは,まさに自分にかかっているのだと思いました。
微笑みや,ちょっとした言葉が,凝り固まっている相手の心を解きほぐし,川のせせらぎが,上方から下方へと流れるように,ほとばし出るように出来れば,素晴らしいと思いました。「でもね」や,「だけとね」を使わないこともうなずけることでした。それらは「関」を設けることになるなぁと,感じ入りました。
また,Iメッセージは,まったく重要だとも思います。話を一般化してしまうと,その相手のために,話しているつもりでも,相手の心に達しないことがあることは気をつけなくてはならないと思いました。目の前にいる相手には,自分の心からの言葉が力を及ぼすことは,大きな発見でした。
よく「当事者が声を出さなくてはいけない」と言われていました。相談コミュニケーションでも,誰かの言葉ではなく,つまり一般の道徳や宗旨では,具体的な事象である相手に,それを持って強制していることに気づかさせていただきました。いろいろな人がいて,いろいろな考えを持っていることを尊重しなければならないと思います。そのことが人権の尊重につながるのだと思います。そのためには,自分もいかなるものか知る方法も教えていただき,セルフチェックができました。
人権の尊重は,自分が低くなりすぎてもいけないし,もちろん,高すぎてもいけません。同等の,もしくは相手を許容できる,おおらかな心が必要と感じました。心の広さや,なにを言われても「そうですね」といえる心を自分に、持ちたいと思いました。ボキャブラリーの多さ,ならびに,知識の広さは肝要なことと思います。
日常生活においても,相手の言葉を否定することなく,受け入れることができれば,会話が弾み、よい人間関係の形成に役だつと思いますので,実行していきたいと思います。自分から自己提案のしにくい障害者の性格を打ち破り,相手の心にしみるような会話に成功した時,自分の生活もより豊かな,優意義なものに変わっていくように臣います。その技術を用いて,施設や在宅で生活している,施設職員や,サービス提供者に対して,まだもの言えぬ(本心が言えない)ほかの仲間の障害者の代弁者になれれば、こんなうれしいことはありません。