福祉オンブズマン養成講座第3回レポート

【障害者の介護の特徴と家族の理解】

 障害者の生きる方法が施設か地域かの選択ではなく,どちらでも用いることができるようになれば,障害者主体の生活ができると思います。いま施設入所者は外に行くのに実費で出なければなりません。それをみていて何とかならないかと気をもんでいたところです。施設が地域で暮らす障害者の休み場となれば,地域にもケアの力がつき,良いと思いました。確かに介護保険・支援費制度が始まったゆえに,逆に地域のケアの能力は低下したように思えます。わたし自身も買い物に行く際,電動車椅子に乗って,また電車に乗って街まで行っていました。しかし支援費が始まるとヘルパーと行動を共にするようになり,それが周りの一般の人々のケアを妨げてしまっているようになりました。以前は,一人で,たまたまそこにいる人に声をかけて,介助してもらうことがありました。それがノーマライゼーションの推進になっていました。地域の人々が障害者と接し,助けるということを可能にしていました。そのことを考えつつ地域で生活する際,介護・支援制度をうまく使わなければならないと思っています。

とはいえ,ADLQOLの話の際に話されたように,以前はADLで多大な時間を費やして少しのことしか出来なかったことが,ヘルパーの助けによって多くのことが少ない時間で行えるようになったことは社会参加の道を広げたといえます。わたし自身も施設の頃は,動作が遅いため,朝5時に起きて朝の準備をした者の一人です。そうした気概を賞賛されて,周りの障害者の見本のようにされたようです。しかしいま,一人一人が違うということを考えると,それぞれのケースにあったケアをしていただかなければならないと思います。

「介護」という言葉が,サービスとして,一人歩きをしてしまって,限定的に用いられているとのことも介護保険・支援費制度の乏しさかもしれません。「ケア」される方としては,全人格的,全時間にそれを必要としているわけですから,財政的に厳しいからと言って制限を受けるのは悲しいことですし,サービスの種類に限りがあるのは欠点といわざるを得ません。お話にあったように,障害者にこれだけつぎ込めば,これだけの社会へ見返りがあると計算されて,支援をしていただくのは理にかなっていると思います。それには,見返りをもたらすシステムの存在がまず必要ですがーー。

時々,ヘルパーと一緒にいるといつのまにか,どっちがどっちかわからなくなることがあります。障害者でも悩みを聴いてあげるということも出来ますし,役立つことは,いっぱいあります。ボランティアが障害者の世話をして癒された,元気をもらったということを聞きます。ですから,障害者の介護というのは,単に健常者が障害者を世話するということ以上の,より社会的に向上した,つまり対等の人と人の共同作業であるといえます。


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