幽助が魔界に行って、もう一年半…。
なのに、幽助はまだ帰ってこない…。
ねぇ、幽助?早く帰ってきてよ…;;
貴方がいないと……寂しくて……。
Star vicino
はある人のことを想いながら街を歩いていた。
彼女の想い人が遠い魔界に行ってしまって、早もう一年半…。
彼女の友人であり、彼の幼馴染が言うには、三年経ったら帰ってくるらしい。
でも…
(三年も…待てないよ…。)
一年半でも辛いのに、その二倍も待たなければならないなんて…、
そう思っただけでは泣きそうだった。
「…幽助……。会いたいよ…、幽助…。」
「誰に会いたいって?」
急に後ろから話し掛けられたは驚いて振り返った。
すると…
「よっ!今帰ったぜ、!!」
一年半前よりたくましくなり、一年半前と変わらない笑顔で、の想い人である浦飯幽助がいた。
「……幽…助…?」
「おいおい、俺以外に誰に見えるんだよ!?」
そう言って幽助は笑った。
「本……と…に?」
の目から涙が流れた。それを見た幽助は慌てて、
「な、泣くなよ!ほら、ちゃんと本物だろ!?」
と言い、の涙を指でぬぐった。
その指はとても温かかった。
「…うん。おかえり、幽助。」
はまだ涙を流していたが、笑顔で幽助を迎えた。
「おう!ただいま!!」
「幽助の部屋、久しぶりだねvvv」
懐かしそうに二人は部屋を見回した。
「一年半も来てねぇんだもんな、ここには…。」
よっ、と幽助はベットにダイブした。はそんな幽助を見ながらポツリと
「……寂しかったんだから…。」
と呟いた。幽助はの方に向き直った。
「幽助がいなくて、私、寂しかったんだから!!」
はちょっと涙声になりながら言った。
「ちょっ、…悪かったって!!!……でもよぉ、俺もがいなくて寂しかったんだぜ?これでもよぉ〜…。」
「………うそ!?だって、螢ちゃんは…?」
「だあぁぁぁ〜〜〜〜〜、もう!!!あいつはただの幼馴染!!!俺が本当に大切なのは…。」
チラッとの方を見た。幽助の顔は少し赤い。
「、お前だよ…。」
そう言って幽助はを抱き寄せた。二人とも、頬がほんのり紅潮していた。
「好きだ、…。」
「私も…好きだよ、幽助…。」
そして、しばらく抱き合い、お互いのぬくもりを感じていた。
それから、二人は見つめあった。
ほんの少しの時間だったが、二人にはとても永い時間、見つめあっていたように思えた。
そして、二人の顔が徐々に近づき、唇がそっと触れた…。
初めてのキス…。
二回目のキス…。
二人は会えなかった一年半という時間を埋め尽くすかのように、何度も何度もキスをした。
「幽助?」
キスをやめ、は上目遣いに幽助を見た。
「…なんだよ?」
「これからは、ずっと側にいてくれる?」
「あぁ…。」
二人は抱き合い、お互いのぬくもりを感じ合って、現在というときの幸せをかみしめた。
『この人の側にずっと…。』
それは二人の心からの想いであった。
〜あとがきという名の言い訳〜
777番をGetしてくださったゆうき様のリクエストより、≪幽助ドリーム:甘甘≫を書かせていただきましたが、いかがでしょうか?
甘くなっているでしょうか?(ドキドキ)
あ、題名のStar vicino≠ナすが、これはイタリア語で側にいることは≠ニいう意味です。
一応、補足説明を…。
…それにしても、原作を思いっきり無視したような内容になってしまいましたが、ご勘弁を…;;
ゆうき様、このような駄文ではありますが、どうぞお持ち帰りくださいませ。
碧の風:シュリ