Days
○その日は、いつもと変わらず妖怪の襲撃に遭った。
そして、いつもの如く闘い終わって、ジープに乗り込み西域を目指す、三蔵一行。
「なぁ〜。三蔵―!腹減ったよぉ〜!!」
「――――うるさい」
と、いつも通りのお馴染みの台詞。そして、悟浄と悟空の低レベルな喧嘩・・・それを止める三蔵の銃声・・・
「―――うるせぇー!!いい加減にしろっっ!!(怒)」
ガウンッ! ガウンッ!!
「「きゃあぁぁ〜!!」」
いつも、この繰り返しだがにとっては幸せなのだ。大切な・大好き人達が、傍にいる・・・というだけで。
「フフッ」
そんなのことを考えていたら思わずから笑みがこぼれた。
「何が可笑しいんだ?」
と隣りいた悟空が、笑っていたに気付いて不思議そうな顔をする。
「あっ。ただ、いつも通りだなぁ〜と思ってね」
とは、悟空に苦笑して答える。
「?いつも通りだといけないのか?」
「あっ、あのね・・・そういう訳じゃないんだけど」
の言ってることが、いまいち理解出来ない悟空は、少しの間、頭を捻って考えてみる。
ややあって、が突然、口を開いた。
「あのっ、皆さん!」
「「「「何(だ)(です)?」」」」
三蔵達の声が、丁度良い具合に、はもる。少し、恥ずかしそうに俯き加減で、はこう言った。
「もしっ、この桃源郷が変わり平和になる、その時にも間違いなく・・・」
「「「「?」」」」
そして、は言葉を続ける。次のそのの言葉に一行は驚いてしまう。
「あっ、あたしの傍にいて下さいっ!あたし・・・三蔵さん達のことが、四人共、同じぐらい大切で・・・大好きなんです!!――・・・だからっ」
と、そこまで言い切り、は俯いてしまった。少し間をおいて、悟浄が優しくに声をかける。
「―――――もちろんだろっ!少なくとも俺はお前の傍にいてやるからな」
は顔を上げて悟浄を見る。悟浄は軽くウインクをにして見せた。
「・・・もちろん、僕もですよv、だから安心して下さい」
と、八戒が悟浄に続いて、に言葉を投げかける。運転をしているためからは、表情を窺い見ることは出来ないが、きっと、いつもの優しい笑顔でいることだろう。
「―――そうだよっ。今までだって、こうやって旅をしてきたじゃないか!、俺はいつでも傍にいるぜ!なっ!三蔵」
悟空が、いつもの無邪気な笑みで言えば。また、それをふられた三蔵も静かに答える。
「―――あぁ。そうだな」
それぞれ、4人の言葉を聞いたは、胸が熱くなってくるのを感じたのだった。
「皆さん・・・ありがとうございます」
「―――いえいえ。どういたしましてv」
と八戒はジープの運転をしながら、いつもの柔らかな口調でに返事をした。
「―って。あぁっ!?」
と次の瞬間、いきなり悟空が大声を出す。それに驚く八戒と三蔵。何事かと思い、八戒はジープを急いで急停車させて振り返る。
「どうしました!?悟空!何かあったんで・・・」
「「・・・が、いきなり泣いてんだよ;」」
と珍しく悟空と悟浄の声が、はもる。それを聞いて、三蔵と八戒は少し脱力してしまう。
「・・・ごめん・・・なさい。何か、皆さんの言葉がすっごく嬉しくって・・・」
涙ながらに言うに、4人は言葉に詰まり、名前を呼ぶことしか出来なかった。
「「「「・・・」」」」
それからは、袖口で涙を拭うといつもの笑顔でこう言った。
「皆さんっ。これからも宜しくお願いしますね!」
「おうっ!」
と元気よく答える悟空。続いて悟浄が答える。
「もちろんっ!」
「こちらこそ、宜しくお願いしますv」
と優しく答える八戒。
「――――あぁ」
三蔵もまた、静かに、一言だけだが答えたのだった。
それは、いつもと変わらない、ある晴れた日の出来事だった。
そして一行は、西域にある吠登城を目指し、今日もジープを走らせている・・・。
E N D
あとがき++++
甘く・・・はないですね;ほのぼのといったトコロでしょうか・・・?実は、知ってる方は知ってるでしょうけどこの『Days』、ポケット・ビスケッツの曲なんですよv結構、好きなんです、この曲vvv
楽しんで戴ければ嬉しいです。
2003.06.17.ゆうき