GAME (悟浄編)
ある良く晴れた日、八戒に悟空、それに珍しく三蔵が、悟浄とを残して出かけて行った。残された悟浄は退屈で仕方がなかったらしく、八戒達が出掛けて行った数十分後に、コーヒーを入れてくれたにこう言った。
「・・・なぁ、」
「はい、何でしょう?」
は何気なく声を掛けた悟浄に返事をする。
「、ゲーム嫌いだっけか?」
「いいえ、嫌いじゃないですけど・・・ゲームって、悟浄さん」
と言い掛けた時、悟浄はテレビの下に入ってるプレイステーションを指さして
「まっ、ゲームっつてもアレなんだけどな」
と言う。実は悟浄も当然、のことを気遣っているのだ。いつもの3人がいれば、麻雀でも(あの猿がな;)ポーカーでも(あの笑顔が武器のヤツがな;)いいのであって。しかし、は麻雀もポーカーもあまり得意ではなかったため、悟浄はあえて去年、悟空が(三蔵に)買って貰ったプレイステーションでゲームをしようと、を誘ったのだった。
「はい、プレステならいいですよ」
と心よく答えた。そして、二人はコーヒーを飲み終えてから、悟浄はプレステ本体をテレビに繋いで、はそのプレステ本体が置いてあった横に並んでたソフトをいくつか出していた。悟浄は本体を繋ぎながらが出しているソフトを横目で見る。その時、悟浄の目に止まったのが、一目でわかる難しそうな格闘ゲームだった。
(よしっ!これにするかっ!)
「おいっ、!これにしないか?」
と悟浄はそのソフトを持ち上げて聞く。は顔を上げて
「え?格ゲーですか?・・・まぁ、悟浄さんがそれで良いなら」
『本当は格ゲー苦手なんだけどなぁ』
等と、悟浄に聞こえないように独りごちる。そして、二人は仲良く隣りに座り、プレステのコントローラーを持ち、ゲームを始めようした。パワーボタンを押して、画面が出てきた時、ふいに何を思ったのか悟浄が口を開いて問題発言をしたのだった。
「なぁ、。このゲームで俺に一回でも勝ったら、お前のために脱いでやるよ」
「は?!」
(――――なっ、なんですと!?)
は言葉を失う。そんなを見て、悟浄は不敵な笑みを浮かべながら続ける。
「・・・で、もし俺に勝てなかったら一日、俺の言うことを聞く。ってのは、どうだ?」
は、まだ口をあんぐり開けたまま呆然としている;
――――そして、恐怖(オイッ)のゲームが始まったのだった・・・
ゲーム開始から約3時間半――――
そこには一回も勝てずに、がっくり肩を落とすの姿があった。(悟浄さんって・・・何でも強いのね;)
「あっ、あのっ」
と言いかけて固まる。(
そう言えば、悟浄さんにこのゲームで一回も勝てなかったら、一日言うことを聞くことになるんだっけ・・・;)
そう思うと、だんだん不安が募っていく。ちらっと悟浄を見れば。悟浄はを見てニヤッと笑ってこう言った。
「さて、もう決まりだな。---、俺の勝ちだから1日言うことを聞いて貰うぜ」
は悟浄のことは嫌いではないが、いまいち悟浄の考えてることが分からなかったから、怖かったのだ。仕方がなく、は覚悟を決める。
「1つ目、俺以外の奴と口を聞かないこと。2つ目に今晩、俺と添い寝すること。3つ目は、俺の傍から離れないこと。――――いいな?」
もっと凄いこと(どんなことだよ;)を言われるかと思いきや、以外と悟浄にしてはシンプルなことだったためは少し驚いて了解する。
そこへ用事を済ませた八戒と悟空が帰ってくる。
「、たっだいま〜!」
「あっ、おっ・・・」
いつもの元気な声に反応しまいそうになったを、悟浄は引き寄せて口を塞いで耳元で囁く。
「---おっと!。今から1日、お前は俺のモノになるんだからな」
その状態に、は思わず赤面してしまう。悟浄が、その色っぽい声で囁くものだから。返事をしないに、違和感を覚えた悟空は
「おいっ!悟浄!!」
と、さっきからを隣りに据えて座っている悟浄を呼ぶ。流石は悟空、勘だけは良い。
「お前、に変なこと吹き込んだんじゃねーだろなっ?!」
「なーに、言ってんだよ、チビ猿。は俺のことが大好きなんだってさ」
悟空をちっとも相手にしない悟浄。後ろから八戒が
「そうならいいんですが・・・あまり僕らの前でイチャイチャしないで下さいねv」
冷笑をしながら言う。
「---んじゃ、あの生臭坊主が帰ってくる前に俺らは隣りの和室にでもいるかなっ♪」
と言って悟浄は立ち上がり、の肩に手を回す。そして、部屋に入る際にに囁く感じで一言。
「いっぱい楽しいことしような〜vvv」
もちろん、悟浄は悟空と八戒の気を仰ぐように言った。はもうどうにも出来ないと覚悟をした。
しかし、その夜――――
特別なことは起きずに朝を迎えた。そして、目を覚ました自分がいたところは悟浄の胸の中。・・・もちろん、余裕で自分より先に起きてた悟浄に、寝顔をまじまじと見られ、背中を向き合って寝たはずなのに、寝返りでもうったのだろうか。
「あっ、ごっ、ごめんなさいっ!」
ハッ。と気付き、恥ずかしくなっては悟浄から離れようとした。悟浄は離れようとしたの腕を掴み自分の方へ抱き寄せてこう言った。
「お前が謝ることなんて何にもないんだぜ。・・・それとも、俺のこと嫌いか?」
いつになく悟浄の顔が真剣だったためは驚いて、必死で首を横に振った。
「そっか、ならいいんだ。俺は、お前のことを・・・」
と言い掛けての耳元に自分の唇を持っていき優しく、そして色っぽく囁いた。
『俺は、お前のことを本気で愛してるんだぜ』
と。
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あとがき―――。
ひーっ!すいません!全然、甘くないですっ!!
ごめんなさいっ!こんなんでも、気に入ってくれたら嬉しいです!
2003.02.03 ゆうき