プラス思考の原点

まず、ちょっと考えてみて下さい。
「あなたは今,どんな不満を持っていますか?」
「あなたの悩みは何ですか?」
「何か不安なことがありますか?」
「解決したい問題は何ですか?」

よく、考えてみて下さい。

そして、もうひとつ根本的な事を考えてみて下さい。
「あなたの不満・悩み・不安・問題の根本的な原因は何でしょうか?」
まず、ご自分で考えてみて頂きたいのです。原因は、
「夫が理解してくれないから」
「妻が気むずかしやだから」
「失業したから」
「子供が不登校になったから」
「失恋したから」
「仕事で失敗したから」・・・

それらは本当の原因ではありません。
この様に自分の外に原因があると錯覚して「被害者の人生」を生きておられる方が比較的多いようです。
被害者の人生は、不平・不満・イライラ・怒りに振り回されたあげく、無力感に陥ってしまう人生です。

「原因はすべて自分自身にある」という事を心理学は教えてくれます。
これは、心理学者達が言ってるだけではなく、世の中の成功者達・自己実現者達が共通して気づいてた事でもあります。
「悩みも問題もすべては自分が創り出している。
だからこそ、創り直したり解消したりも自分でできる。自分を変えることによって、結果(人生)を変えていける」

この「人生は自分次第」という気づきこそ、プラス発想の根本的土台であり、
「被害者の人生」から「主役の人生」へと飛躍するカギを握る発想なのです。

 

キーを握るビリーフ

 「悩みや問題に限らず、人生における結果(人間関係,豊かさ、幸せ・不幸、感情など)は
すべて、自分自身の心が創り出してる」ということを心理学は教えてくれます。

 たとえば会社員のAさんが、職場の上司との関係で会社に行くのも嫌なくらい悩んでいるとします。
「あんな上司の下では、仕事する気になれないのは当然だ。」
と、自分の悩みの原因を上司のせいにしています。
では、同じ職場で同じ上司の下で働いている人全員がAさんと同じ様に悩んでいるでしょうか?
そんな事はありません。つまり、Aさんの悩みの本当の原因は環境(上司,職場)や状況ではなく、
Aさん自身にあるわけです。

 さらに別の例で考えてみましょう。
たとえばある時、あなたの友達があなたに対して「あなたのそんな性格、良くないよ」と、
少しきつく言ってきたとします。この出来事に対して、あなたならどんな状態(結果)に
なりそうですか?これも人それぞれ違うのです。ある人は「嫌われてしまった」と落ち込み、
別の人は「攻撃された」と腹立ち、また別の人は「あの人すぐに感情的になって人にきつい事
言っちゃうんだよね。それが直せたらもっと友達増えるのに。」と相手の事を心配します。
全く気にならない人もいるでしょう。
つまり、あなたがどんな状態(結果)になるかという事は、出来事や環境によって決まるのではなく、
その出来事や環境に対するあなたの受け取り方・考え方によって決まるのです。
これを発見したのは心理学者のアルバート・エリスで、ABC理論と呼ばれています。
A出来事(Affairs=出来事、環境、状況)を、
あなたの
Bビリーフ(Belief=信じてる事、考え方、受け止め方)で解釈して、
C結果(Consequence=結果、感情、現実)を創り出します。

 

幼児時代に創られるビリーフ

 あなたの人生を左右しているこの
ビリーフの土台は、主に子供時代(特に幼児時代)にできあがります。
子供時代に信じたことがいつしか「考え方のくせ=自分特有の信念」になって無意識(潜在意識)に
定着し、大人になって以降の人生をもずっと左右し続けているわけです。
無意識に定着しているため、自分ではなかなか自覚できません。
あなたにとって透明な(自覚できない)
ビリーフが、あなたの人生を創ってるわけです。

 より具体的に考えてみましょう。「人に好かれねばならない」という
ビリーフを持っている人は、
知人から誤解されたり、無愛想に対応されたり、無視されたりした時に落ち込んでしまいます。
また、ノーが言えなかったり八方美人になってしまう人も、この
ビリーフを持っています。
逆に、「人に好かれるにこした事ないが、人間だから好き嫌いもあるし相性もある」という
ビリーフ
持ってる人は、相手の反応によって落ち込んだりはしません。
 「失敗すべきではない」という
ビリーフを持っている人は、チャレンジする事を避けますので
妥協的な人生になり、成功する事とも無縁になります。
 「そのままの自分ではだめだ(何かで補わないといけない)」という
ビリーフを持っている人は、
自分を補うために結果(点数、成績、業績)やレッテル(肩書き、人からの評価・評判)を追い求めるので、
いつも人と比べたり勝負にこだわったりで、自分らしく生きる事もプロセスを楽しむ事も
なかなかできません。
 あなたの人生を創り出してるこの透明な
ビリーフを、交流分析では人生脚本と呼びます。
私達は、無意識に書き込まれた脚本どおりに、人生を演じてるわけです。

 

マリリン・モンロー人生脚本

 有名な
マリリン・モンローの場合、彼女は幼ないころ母親と生き別れました。
その後、彼女は親戚によって引き取られました。その親戚は彼女を愛してくれましたが、時期がくると次の親戚へ引き渡されました。
つぎの親戚も彼女を愛してくれましたが、また時期が来るとさらに次の親戚へ・・・。
こうして
マリリン・モンローは、幼児時代に「愛とは、壊れるもの。続かないもの。」だと信じたと考えられます。
彼女は、この
ビリーフを無意識に信じてたために、彼女の人生は離別の繰り返しでした。
仕事仲間とも長続きせず、必ず離別しました。恋愛も、結婚生活もそうでした。
最初の結婚相手は、幼なじみでした。2人目の結婚相手は、大リーガーのジョー・ディマジオ。
3人目の結婚相手は、劇作家のアーサー・ミラー。その後は、ケネディー大統領と付き合ったり、
さらに、ケネディーの弟、フランク・シナトラ、・・・etc.
彼女は人生で、愛を育てることができなかったのです。結果として、彼女は有名人であったにもかかわらず、とても孤独な人生を送り、
最期はベッドの上で薬づけになって死んでるのを発見されました。
人は、無意識に書き込まれた脚本どおりに人生を演じてるのです。

 

 さて、ではあなたの場合、人生とはどのようなものであると信じてますか?

「人生とは、・・・ 」に続く文章を考えてみて下さい。
ここで言う
ビリーフ(脚本)とは、「あなたが信じようとしてる事」や「信じるべきだと思っている事」ではなく、
あなたが心の底で(無意識に)信じ込んでる事」です。
それを知る方法は簡単です。
あなたの人生を観察してみればわかります。
人は、
自分の信じ込んでるとおりの人生(結果、感情)を創り出しているからです。
特に、人生で繰り返してる自分のパターンから、自分の
ビリーフが見えてきます。
その他に
あなたは、どんなビリーフを持っていそうですか?
「人間関係とは・・・」「自分は・・・」「愛とは・・・」「自分の能力は・・・」「お金とは・・・」「健康とは・・・」・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

【心の窓】  野口 嘉則